名古屋で飲食店や店舗を居抜きで売却しようと募集を始めたものの、
「掲載しているのに問い合わせが全然来ない」
「問い合わせはあるけど内覧まで進まない」
「何人も内覧したのに申込みが入らない」
「買いたいと言われたのに最後に話が流れてしまった」
こんな状況になっていませんか?
居抜き売却が決まらないと、
「この店は人気がないのかな?」
「もっと値下げしないと売れないのかな?」
と考えてしまいがちです。
しかし、居抜き店舗が売れない原因は、すべて同じではありません。
むしろ重要なのは、
「売れない」のではなく「どの段階で止まっているのか?」
を確認することです。
例えば、
反響そのものがゼロ。
問い合わせはある。
内覧までは入る。
申込みまで入る。
この4つでは、改善すべきポイントがまったく違います。
問い合わせすら来ていない店舗の内装を改善しても、それが原因でなければ効果は限定的です。
反対に、毎週のように内覧が入っているのに申込みがゼロなら、広告を増やすことよりも、
「なぜ実際に店舗を見ると買わないのか」
を考えた方がいいでしょう。
今回は、名古屋市を中心に飲食店・店舗の居抜き売却を取り扱う居抜キングが、
反響ゼロ
内覧ゼロ
申込みゼロ
という3つの段階から、居抜き店舗が売れない原因と改善方法を詳しく解説します。
まず「問い合わせ件数」だけで判断しない
居抜き売却を開始すると、多くの売主様が最初に気にするのが、
問い合わせ件数
です。
もちろん問い合わせが多いことは悪いことではありません。
しかし、
問い合わせが多い=売れる
ではありません。
例えば、
10件問い合わせがあって内覧0件。
5件内覧して申込み0件。
1件しか問い合わせがなかったけれど、その1人が申込み。
ということもあります。
最終的な目的は問い合わせを集めることではなく、
実際に条件の合う買主へ店舗を引き継ぐこと
です。
そのため居抜き売却では、問い合わせ数だけではなく、
問い合わせ → 内覧 → 申込み → 貸主側との調整・審査 → 契約・引渡し
という流れ全体を見る必要があります。
居抜き売却の「売れない」を4段階に分ける
居抜き売却が決まらないときは、まず現在地を確認してみましょう。
第1段階|反響・問い合わせがほぼない
募集していること自体は見られていても、買主候補から連絡が来ない状態です。
この場合は、
価格・家賃・立地・募集内容・店舗条件
など、入口部分に原因がある可能性があります。
第2段階|問い合わせはあるが内覧されない
広告を見て興味は持たれている。
しかし詳細を伝えると内覧まで進まない。
この場合は、
家賃・初期費用・造作価格・業態制限・営業時間などの詳細条件
が原因になっている可能性があります。
第3段階|内覧は入るが申込みがない
ここはかなり重要です。
買主候補はわざわざ現地まで来ています。
つまり広告上では検討対象になっているのです。
それでも申込みがないなら、
実際の店舗状態と買主が想像していた内容に差がある
可能性があります。
第4段階|申込みはあるのに契約まで進まない
ここまで来ると、店舗そのものとは別の原因も考えられます。
例えば、
貸主側との調整。
入居審査。
希望業態。
新しい賃貸条件。
資金。
造作譲渡条件。
などです。
つまり、
「どこで止まっているか」が分かれば、売れない理由を絞り込みやすくなる
ということです。
原因① 造作価格が市場から大きく離れている
まず最初に確認したいのが、
造作価格
です。
居抜き売却では、
「開業時に2,000万円かけた」
「厨房だけで500万円した」
「まだ1年しか使っていない」
「借金が800万円残っている」
といった事情から、売主様が高い価格を希望することがあります。
その気持ちは理解できます。
しかし、
売主が店舗へ投資した金額と、現在の居抜き市場で買主が払う金額は別
です。
開業費2,000万円でも造作2,000万円ではない
例えば、
内装工事1,000万円。
厨房設備500万円。
空調・ダクト300万円。
家具・什器200万円。
合計2,000万円。
だったとします。
だからといって、営業開始翌日に、
造作2,000万円で売れる
とは限りません。
買主からすれば、
自分がその内装を使うのか。
厨房設備が自分の業態に合うのか。
設備の年式はどうか。
改装はいくら必要か。
家賃はいくらか。
立地は自分の業態に合うのか。
を考えます。
つまり、
「いくらかけた店舗か」ではなく「次の人にとっていくらの価値があるか」
が重要なのです。
借金残高も造作価格とは別
これも注意したいポイントです。
例えば店舗開業のために1,000万円借り、
現在700万円残っている。
だから、
「最低700万円で売りたい」
と考えるケースです。
しかし買主からすると、売主の借入残高は店舗の市場価値を決める要素ではありません。
買主が見るのは、
700万円を払ってでもこの店舗を取得するメリットがあるか
です。
借金を返したいという売主側の事情だけで造作価格を決めると、市場とのズレが大きくなる場合があります。
反響ゼロなら「価格」を最初に疑う
例えば、
募集開始から一定期間が経過。
掲載もされている。
立地も極端に悪くない。
しかし、
問い合わせがほぼゼロ。
この場合、まず確認したい一つが造作価格です。
ただし、
「問い合わせゼロ=必ず価格が高い」
という意味ではありません。
家賃。
立地。
坪数。
階数。
業態。
募集方法。
店舗の見せ方。
など、ほかの要因もあります。
だから、
「問い合わせがないから100万円下げよう」
と機械的に判断するのではなく、
市場の反応を見ながら原因を切り分ける
ことが重要です。
原因② 家賃が次の出店者にとって重い
居抜き売却で売主が見落としやすいのが、
家賃
です。
売主は造作を売る側なので、
「400万円で売れるか」
「500万円で売れるか」
に目が向きます。
しかし買主は、
造作代だけを払うわけではありません。
新しく店舗を借りて、毎月営業していかなければならないのです。
買主は「開業総額」で判断する
例えば、
造作価格300万円。
一見すると安く感じます。
しかし、
保証金・敷金。
礼金。
仲介に関する費用。
保証会社費用。
前家賃。
改装費。
看板。
仕入れ。
備品。
許認可関係。
運転資金。
などが必要になります。
さらに毎月、
家賃。
共益費。
人件費。
水道光熱費。
仕入れ。
などが発生します。
つまり買主は、
「造作300万円なら安い」
だけで判断していません。
この店舗で開業して、その後も営業を続けられるか
まで考えています。
造作価格を下げても売れない店舗がある理由
例えば、
造作500万円で反響なし。
400万円へ値下げ。
まだ反響が弱い。
300万円へ値下げ。
それでも決まらない。
こうなると、
「もっと価格を下げないとダメだ」
と思うかもしれません。
しかし原因が造作価格ではなく、
家賃そのもの
だったらどうでしょう。
造作価格は一度の支払いです。
しかし家賃は営業を続ける限り発生します。
そのため、買主が想定する売上に対して家賃負担が重ければ、
造作価格を下げるだけでは解決しない
こともあります。
原因③ 店舗の大きさと買主ニーズが合っていない
居抜き店舗では、
坪数
も大きな要素です。
例えば10坪前後の店舗なら、
個人開業。
夫婦経営。
少人数営業。
BAR。
小型居酒屋。
カフェ。
ラーメン。
テイクアウト。
など、さまざまな候補が考えられます。
一方で、
50坪。
70坪。
100坪。
となれば、
必要なスタッフ数。
家賃。
光熱費。
改装費。
席数。
運転資金。
なども大きくなる傾向があります。
その結果、検討できる買主層が狭くなる可能性があります。
「広い=価値が高い」とは限らない
売主からすると、
「これだけ広い店舗なんだから高く売れるだろう」
と思うことがあります。
しかし居抜きでは、
広い店舗ほど必ず高く売れるわけではありません。
買主にとって重要なのは、
自分の事業規模に合っているか。
その広さを使い切れるか。
家賃を払えるか。
必要な売上を作れるか。
です。
居抜き売却では、
店舗の大きさと、そのエリアで出店したい買主層が合っているか
を見る必要があります。
原因④ 業態が特殊すぎて「そのまま使える人」が少ない
居抜き店舗の大きなメリットは、
既存の内装・設備を利用できる可能性があること
です。
逆に言えば、
既存設備を利用できる人が少ない店舗は、買主候補が限定されることがあります。
例えば非常に特殊な厨房レイアウト。
独特な内装。
特定業態専用の設備。
大掛かりなステージ設備。
特殊な個室。
などです。
売主にとっては、
「これだけお金をかけた設備だから価値がある」
と思う部分でも、
買主からすると、
「自分には必要ないので撤去費がかかる」
となる可能性があります。
高級内装だから高く売れるとは限らない
これは実際の居抜き売却でも重要です。
例えば1,000万円以上かけた豪華なBAR。
非常に個性的な内装。
まだ新しい。
売主からすると、
「これだけ綺麗なら高く売れる」
と考えます。
しかし買主が、
「自分の店のコンセプトには合わない」
と思えば、その豪華な内装を壊すことになります。
そうなると、
高額な内装がプラスではなく改装コストになる
場合すらあります。
居抜き価値とは、
かけた金額ではなく、次の出店者が使える価値
なのです。
原因⑤ 募集写真・情報だけでは店舗の魅力が伝わっていない
意外と見落とされるのが、
募集ページの見せ方
です。
実際には、
きれいな店。
厨房設備も充実。
立地も悪くない。
なのに、
写真が暗い。
厨房写真がない。
店内全体が分からない。
設備内容が分からない。
席数が分からない。
店舗レイアウトが想像できない。
という募集では、買主候補が判断できません。
買主は最初に「写真」で候補を絞る
居抜き店舗を探している人は、一つの店舗だけを見ているとは限りません。
複数の物件を比較しながら、
「ここは見てみたい」
「これは違う」
と候補を絞ります。
その最初の判断材料になるのが、
写真と基本情報
です。
特に飲食店なら、
外観。
入口。
客席。
カウンター。
厨房全体。
冷蔵庫等の主要設備。
ダクト。
トイレ。
バックヤード。
など、店舗全体をイメージできる情報が重要になります。
ただし営業中売却では「見せすぎ」にも注意
一方で、営業中の店舗では、
情報を公開しすぎるリスク
もあります。
例えば、
店舗名が分かる看板。
特徴的な内装。
住所。
外観。
などをすべて公開すると、
従業員。
常連客。
取引先。
近隣店舗。
などに閉店・売却を検討していることが知られる可能性があります。
そのため、
売却情報として必要な情報量と秘密保持のバランス
を考える必要があります。
居抜き売却では、
「写真をたくさん載せればいい」
でも、
「秘密だから何も見せない」
でもありません。
買主が検討できる情報を出しながら、売主側の秘密も守る。
この調整が重要です。
「反響ゼロ」ならこの5項目をまず確認する
ここまでを整理します。
居抜き募集を開始したものの、
問い合わせがほとんど来ない
のであれば、まず、
①造作価格
②家賃・初期費用
③店舗の坪数・規模
④業態・内装・設備の汎用性
⑤募集写真・掲載情報
を確認してみてください。
そして大切なのは、
いきなり「値下げだけ」で解決しようとしないこと。
原因が家賃なら、造作価格だけ下げても効果が限定的かもしれません。
原因が募集情報なら、価格を下げる前に写真や説明を改善できるかもしれません。
原因が業態の特殊性なら、同業態だけでなく、既存設備を活用できる近い業態までターゲットを広げられる可能性があります。
つまり、
原因によって打つべき対策が違う
のです。
問い合わせがある店舗は「売れない理由」が変わる
そして、ここからがさらに重要です。
例えば、
問い合わせは10件来ている。
しかし内覧は0件。
あるいは、
内覧は5件入った。
しかし申込み0件。
この状態なら、
「広告を見ても誰も興味を持たない店舗」ではありません。
どこかまでは評価されています。
だから、
その次の段階で何が障害になっているのか
を探します。
特に、
「内覧は何件も入るのに申込みゼロ」
という店舗は、売れない原因を分析するうえで非常に重要なサインです。
広告では魅力的に見えた。
条件もある程度許容できた。
だから現地まで見に来た。
それでも買わなかった。
そこには、
現地を見なければ分からない理由
がある可能性があります。
前編まとめ|居抜きが売れないなら「どこで止まったか」を見る
居抜き店舗が売れないと、
「値段が高いからだ」
と考えがちです。
しかし実際には、
造作価格。
家賃。
店舗規模。
業態。
内装。
厨房設備。
募集情報。
貸主側の条件。
入居審査。
など、さまざまな要素が関係します。
だからこそ最初に、
反響ゼロなのか。
問い合わせはあるのか。
内覧まで進んでいるのか。
申込みまで入っているのか。
を確認してください。
ここが分かれば、
「売れない理由」をかなり絞り込みやすくなります。
後編では、さらに踏み込みます。
原因⑥ 問い合わせはあるのに内覧されない
原因⑦ 内覧は多いのに申込みが入らない
原因⑧ 厨房設備を実際に見ると評価が下がる
原因⑨ 貸主・管理会社の条件で買主が離脱する
原因⑩ 申込み後に入居審査・契約条件等で流れる
そして、
錦3丁目BAR
栄2丁目居酒屋
栄4丁目焼肉店
大須3丁目カフェ
といった実際の不成約事例も交えながら、
「問い合わせゼロ」「内覧ゼロ」「申込みゼロ」それぞれ何を直すべきなのか
を具体的に解説します。
居抜き売却で重要なのは、
売れないまま同じ募集を続けることではありません。
市場から返ってきた反応を見て、
価格なのか。
条件なのか。
店舗なのか。
貸主側の問題なのか。
原因を一つずつ整理することです。
「売れない」には、必ず同じ対策をするのではなく、止まっている場所に合わせて対策する。
これが居抜き売却では重要です。