名古屋市中区錦3丁目。
名古屋を代表する繁華街として知られるこのエリアには、居酒屋、BAR、クラブ、ラウンジ、焼肉店、ラーメン店など、さまざまな飲食店が軒を連ねています。
昼間とは異なり、夜から深夜、そして早朝にかけて飲食需要が生まれることも、錦3丁目ならではの特徴です。
しかし、繁華街に出店しているからといって、必ずしも利益が残るわけではありません。
今回、居抜キングが居抜き売却をお手伝いしたのは、名古屋市中区錦3丁目のビル1階で約6年間営業を続けてきた、8.5坪のラーメン店です。
お客様がまったく来ないお店ではありませんでした。
深夜帯には一定の来店があり、長年にわたって営業を続けてきた実績もありました。
それでも、店主は閉店を決意しました。
理由は、売上だけでは判断できない、飲食店経営の厳しい現実にありました。
朝5時まで営業しても、思ったほど手元にお金が残らない。
8.5坪という限られた店舗面積では、売上をさらに伸ばそうにも限界がある。
そして何より、長年にわたるワンオペ営業によって、店主自身が精神的に疲れ切ってしまっていたのです。
さらに、家賃にも多少の滞納が発生している状況でした。
このまま営業を続ければ、経営面だけでなく、店主の心身にも一層大きな負担がかかる可能性がありました。
私たち居抜キングとしても、できるだけ早く次の借主を見つけ、店主を現在の状況から解放してあげたいという思いがありました。
結果として、今回のラーメン店は売却期間わずか29日、居抜き売却価格340万円で成約。さらに原状回復費用235万円を削減することができました。
しかも、次に出店するのはラーメン店ではありません。
新たな借主は、立ち飲みBARの出店希望者でした。
今回は、ラーメン店から立ち飲みBARへの業態転換によって成立した、名古屋市中区錦3丁目の居抜き売却成約事例をご紹介します。
1.今回の居抜き売却物件の概要
所在地: 愛知県名古屋市中区錦3丁目
立地: 商業ビル1階
従前の業態: ラーメン店
店舗面積: 約8.5坪
営業期間: 約6年間
営業時間: 深夜から早朝5時まで営業
主な売却理由: 店舗面積による売上の限界、長時間営業、ワンオペによる精神的疲労
居抜き売却価格: 340万円
売却期間: 29日
原状回復費用削減額: 235万円
次の出店業態: 立ち飲みBAR
今回の成約で重要だったのは、単に340万円で店舗を売却できたことではありません。
通常の閉店であれば、内装や設備を撤去し、貸主との契約内容に応じた原状回復工事を行う必要がある場合があります。
今回の店舗では、その原状回復にかかる費用235万円を削減できました。
つまり、造作等の売却代金340万円を確保しながら、本来発生する予定だった原状回復費用235万円の負担も回避できたことになります。
売却代金340万円+削減できた原状回復費235万円=575万円。
これは、売却による収入と支出削減を合算した経済効果です。実際の手取り利益を意味するものではなく、仲介手数料、未払賃料、その他の精算費用などを差し引いた金額でもありません。
それでも、閉店を決意した店主にとって、非常に大きな結果となりました。
2.お客様は来る。それでもお金が残らないラーメン店の現実
今回のラーメン店は、開業して間もない店舗ではありません。
錦3丁目で約6年間営業を続けてきたお店です。
一定の常連客も見込める立地であり、深夜帯にはそれなりの来店がありました。
しかし、長時間営業を続けても、店主の手元にはなかなかお金が残りませんでした。
飲食店経営では、売上があることと、十分な利益を確保できていることは別問題です。
ラーメン店の場合、食材の仕入れ、スープの仕込み、光熱費、消耗品、家賃など、日々さまざまな経費が発生します。
特にラーメンは、スープや具材の準備に手間がかかる業態です。
深夜営業の場合は、営業時間が長いだけでなく、営業前の仕込みや営業終了後の清掃まで含めると、店主の拘束時間はさらに長くなります。
仮に深夜帯にお客様が来店していても、その売上に対して労働時間や経費の負担が大きければ、経営者として十分な収入を確保することは難しくなります。
今回の店主も、朝5時まで営業を続けていました。
深夜から早朝という時間帯は、一般的な昼営業の飲食店とは異なる苦労があります。
生活リズムも不規則になりやすく、昼間に自由な時間があるように見えても、実際には睡眠や仕込みに時間を取られることも少なくありません。
今回のケースから私たちが改めて感じたのは、「お客様が来ているから経営は順調」とは限らないということです。
来店客数だけを見ていても、店主が抱える本当の問題は見えてこない場合があります。
3.8.5坪という店舗面積が売上拡大の壁になっていた
今回の店舗は約8.5坪。
面積にすると約28㎡です。
名古屋市中区錦3丁目のような繁華街では、10坪以下の小規模店舗も珍しくありません。
小さな店舗には、家賃や内装工事費、日常的な管理負担を抑えやすいという利点があります。
しかし、業態によっては、小さすぎる店舗面積が売上の上限を決めてしまう場合があります。
ラーメン店はその典型的な業態の一つです。
厨房には、製麺や茹で麺の設備、スープを温めるためのコンロ、冷蔵庫、シンク、食器洗浄スペースなどが必要になります。
もちろん、お店によって設備構成は異なりますが、8.5坪という空間の中に厨房を設けると、お客様が利用できる客席部分は限られます。
さらに、ラーメン店は基本的に一人のお客様に対して一食を提供するビジネスです。
限られた座席数で売上を伸ばすには、客単価を上げるか、来店人数を増やすか、回転率を高める必要があります。
しかし、深夜帯の需要には時間ごとの波があります。
お客様が集中する時間帯があっても、終始満席になるわけではありません。
来店客が途切れる時間帯にも営業を続けなければならず、結果として、長時間営業に見合った利益を確保することが難しくなります。
今回の店主にとって、8.5坪という広さは、営業を続けるうえで大きな制約になっていました。
店舗が小さいから経営が悪くなるということではありません。
大切なのは、店舗面積と業態の相性です。
この点が、今回の居抜き売却を成功させるうえでも重要なポイントになりました。
4.約6年間のワンオペ営業。店主が閉店を決断した本当の理由
今回の店舗売却で、私たちが特に印象に残っているのは、店主の疲労の大きさです。
約6年間にわたり、錦3丁目でラーメン店を営業してきた店主。
日々の営業をワンオペでこなし、深夜から朝5時まで働く生活を続けていました。
ワンオペ営業には、人件費を抑えられるという経営上のメリットがあります。
一方、経営者自身が調理、接客、会計、片付けなどを担うため、負担が一人に集中します。
忙しい日には休む暇もなく、暇な日には売上への不安を感じる。
従業員がいなければ、人間関係の悩みは少ないかもしれませんが、誰かに業務を任せることも簡単ではありません。
体調が悪くても簡単には休めず、営業日数を減らせば売上が落ちる可能性もあります。
飲食店を独立開業した方の中には、開業当初は希望に満ちていたものの、長年の営業によって心身の負担が大きくなってしまう方もいます。
今回の店主は、まさにそのような状況でした。
単純に「売上が悪いから閉店する」という話ではなかったのです。
これ以上、今の働き方を続けることが精神的に難しい。
その思いが、売却を決意する大きな理由になっていました。
私たちが居抜き売却の相談を受ける際、査定価格や募集条件はもちろん重要です。
しかし、実際には売主様がどのような事情を抱え、いつまでに店舗を手放したいのかを把握することが、それ以上に重要になる場合があります。
今回の案件では、少しでも高い金額で売却することだけを目的とするのではなく、早期に成約させることにも大きな意味がありました。
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5.家賃の滞納も少し発生。売却を長引かせるべきではなかった
今回のラーメン店では、家賃にも多少の滞納が発生していました。
店舗経営が厳しくなり、家賃の支払いが遅れ始める。
これは、飲食店の閉店相談で注意しなければならない状況の一つです。
家賃の支払いが遅れている状態で、さらに営業を続けても、経営状況が改善するとは限りません。
むしろ、売上が十分に回復しなければ、未払い賃料が積み上がっていく可能性があります。
店舗を借りている以上、営業していなくても原則として契約に基づく家賃の支払いは続きます。
そのため、閉店を決めた後も居抜き売却がなかなか成立しない場合、経営者の負担が大きくなってしまうことがあります。
今回、私たちが特に重視したのは、早期成約でした。
もちろん、340万円という居抜き売却価格も重要です。
しかし、仮にもっと高い価格で募集したとしても、買主が見つからず数か月が経過してしまえば、その間の家賃や精神的な負担が増える可能性があります。
高く売却できることと、売主様にとって最も良い結果になることは、必ずしも一致しません。
今回の店主には、これ以上無理をして営業を続けてもらいたくない。
私たちには、その思いがありました。
なお、家賃の滞納がある場合、居抜き売却によって自動的に未払賃料が消えるわけではありません。
貸主との精算や契約終了に関する調整は、売却代金とは別に確認する必要があります。
居抜き売却は、単に造作を売るだけの取引ではなく、貸主、現借主、新借主の関係を整理しながら進めていく必要があるのです。
6.ラーメン店なのに、買主は立ち飲みBARの出店希望者だった
今回の成約で、もう一つ大きな特徴があります。
それは、ラーメン店をラーメン店として売却したわけではないということです。
最終的に居抜き売却が成立した相手は、立ち飲みBARの出店希望者でした。
ラーメン店から立ち飲みBARへの業態転換です。
一見すると、ラーメン店に設置されている厨房設備や内装は、同じラーメン業態の出店希望者に売却する方が有利に思えるかもしれません。
確かに、同業種であれば既存設備をそのまま活用できる可能性が高く、出店時の初期投資を抑えやすくなります。
しかし、実際の居抜き売却では、必ずしも同業種への売却が最適とは限りません。
特に錦3丁目のように、多様な飲食業態が集まるエリアでは、店舗の立地、建物の位置、広さ、間口、設備状況などを総合的に判断することが重要です。
今回の店舗は8.5坪でした。
ラーメン店としては狭さが売上拡大の制約になっていましたが、立ち飲みBARの場合は違った捉え方ができます。
立ち飲みBARは、一般的な着席型飲食店とは異なり、限られた面積を活用した店舗づくりが可能な業態です。
大型厨房が必ずしも必要ではなく、営業内容によっては比較的コンパクトな設備構成で運営できます。
また、立ち飲みという営業スタイルと繁華街の立地には、一定の親和性があります。
飲食後の二軒目、三軒目としての利用や、短時間の飲酒需要などを取り込める可能性があるからです。
もっとも、今回の買主が具体的にどの設備を利用し、どの程度の改装を行うかは別の話です。
既存のラーメン店設備が、すべて立ち飲みBARに必要だったという意味ではありません。
重要なのは、ラーメン店としての営業を終える物件にも、別の業態から見れば出店価値があるということです。
既存業態だけに買主候補を限定しなかったことが、今回の売却成立につながった重要なポイントでした。
7.錦3丁目の1階店舗という立地をどう評価するか
錦3丁目は、名古屋市内でも飲食店が数多く集まるエリアです。
繁華街のため、夜間の飲食需要を見込んで出店を検討する事業者もいます。
今回の店舗は、ビルの1階にありました。
飲食店舗を探している方にとって、1階という条件は検討材料の一つになります。
道路からの視認性や入りやすさ、看板の設置条件などは個別に確認する必要がありますが、店舗の存在を認識してもらいやすい立地には一定の魅力があります。
一方で、錦3丁目という所在地だけを理由に、必ず高額売却できるわけではありません。
同じ錦3丁目でも、通りによって人の流れは異なります。
さらに、同じビルでも1階と上層階では、想定する営業形態や出店希望者が変わる場合があります。
家賃や保証金などの賃貸条件、看板の制限、営業時間、設備の使用条件なども重要です。
居抜き売却では、単に繁華街にあるという理由だけで造作価格を決めるのではなく、実際の店舗条件と出店需要を照らし合わせる必要があります。
今回、ラーメン店ではなく立ち飲みBARを希望する買主が見つかったことは、錦3丁目というエリアの飲食業態の多様性を示す一例といえるでしょう。
8.居抜き売却期間はわずか29日。早期成約で何が変わったのか
今回の居抜き売却に要した期間は29日でした。
店舗の売却では、売主様が希望する価格と買主様の予算が合わず、募集期間が長引いてしまうことがあります。
特に、内装工事に多額の費用をかけた店舗では、開業時の投資金額を基準に売却価格を考えてしまう場合があります。
しかし、居抜き売却価格は、過去に投資した工事費用だけで決まるものではありません。
現在の設備の状態、経過年数、出店希望者の需要、立地、業態変更に伴う工事費用などを考慮して判断する必要があります。
今回の店舗も営業期間は約6年です。
一般的に、飲食店の厨房機器や設備には使用による劣化があり、開業当時と同じ価値を維持できるわけではありません。
一方で、既存設備や内装を一部でも活用できれば、新規出店者にとって初期投資を抑える材料になります。
私たちが今回重視したのは、売主様の事情を踏まえた現実的な売却条件でした。
高額売却の可能性を追い続けることで、売却期間が長引いてしまっては意味がありません。
今回のように、店主が精神的に疲れ切っている状況では、1か月という時間にも大きな意味があります。
29日で売却が成立したことは、金額以上に店主の負担軽減につながる結果だったと考えています。
なお、売却期間29日は今回の成約実績であり、すべての店舗が同じ期間で売却できることを保証するものではありません。
店舗の条件や貸主の承諾、新借主の審査状況によって、必要な期間は変わります。
9.居抜き売却価格340万円。原状回復費235万円削減の大きな意味
今回の成約では、居抜き売却価格340万円に加え、原状回復費用235万円の削減を実現しました。
飲食店の閉店では、造作や設備を売却できるかどうかによって、退店時の経済的負担が大きく変わる場合があります。
仮に居抜き売却が成立せず、貸主との契約に従って店舗をスケルトン状態へ戻す必要があれば、内装や厨房設備などの撤去工事が必要になります。
特に飲食店は、厨房区画、給排水設備、排気設備、ダクト、グリストラップなど、一般的な事務所とは異なる設備が存在することがあります。
原状回復工事の範囲や費用は店舗ごとに異なりますが、閉店時にまとまった支出が発生することも珍しくありません。
今回の店舗では、原状回復費として235万円の負担を見込んでいました。
しかし、居抜き売却が成立したことで、その費用を削減することができました。
ここで重要なのは、居抜き売却の経済効果を売却価格だけで判断しないことです。
今回のケースを整理すると、次のようになります。
造作等の売却による収入:340万円
原状回復費用の削減:235万円
合計した経済効果:575万円
仮に造作を無償で譲渡した場合でも、235万円の原状回復費を削減できれば、売主様にとって意味のある取引になる可能性があります。
今回は、さらに340万円の売却代金を確保できました。
長年営業してきた店主にとって、閉店時の出費を抑えることは、その後の生活や再出発にも関わる重要な問題です。
ただし、今回の575万円は、売却収入と費用削減額を合計したものであり、実際に575万円の現金が手元に残ったという意味ではありません。
また、居抜き売却が成立すれば必ず原状回復義務がなくなるわけでもありません。既存の契約内容や貸主の承諾、引渡し条件などを整理する必要があります。
今回の案件は、そうした条件のもとで原状回復費用の削減が実現した成約事例です。
10.居抜き売却では貸主との調整が欠かせない
居抜き売却は、売主様と買主様が造作売買に合意すれば、それだけで完了するものではありません。
賃貸店舗である以上、貸主との調整が欠かせません。
特に、今回のようにラーメン店から立ち飲みBARへ業態が変わる場合、新しい事業者の営業内容が建物の条件に適しているかを確認する必要があります。
一般的には、貸主が新たな借主と賃貸借契約を締結するかどうか、保証会社による審査、賃貸条件、店舗の引渡し状態などが重要になります。
また、ラーメン店とBARでは、設備の使い方や営業時間、音、臭気などの問題も異なります。
居抜き売却価格について売主様と買主様が合意しても、貸主との間で必要な条件がまとまらなければ、取引が成立しない可能性があります。
さらに、原状回復義務についても注意が必要です。
次の借主が既存の内装を引き継ぐことと、前の借主の原状回復義務が当然に免除されることは、同じではありません。
どの設備を残すのか。
何を撤去するのか。
既存設備の管理責任をどう整理するのか。
旧借主の退去と新借主の入居をどのように進めるのか。
これらは、実際の契約内容に応じて調整する必要があります。
居抜き売却を成功させるには、造作の売買だけでなく、不動産賃貸借契約まで含めた実務対応が重要なのです。
11.ラーメン店を売るなら、ラーメン店の買主だけを探すべきではない
飲食店の居抜き売却では、同業種の出店希望者を探す方法が一般的です。
例えば、焼肉店であれば焼肉店、ラーメン店であればラーメン店、BARであればBARを希望する方です。
同業種であれば既存設備を活用できる可能性が高いため、買主にとって出店コストを抑えるメリットがあります。
しかし、それだけに限定すると、売却機会を狭めてしまう場合があります。
今回のラーメン店は、その分かりやすい事例です。
8.5坪という店舗面積は、ラーメン店としては売上の上限に悩む要因となっていました。
一方で、立ち飲みBARを希望する事業者には、異なる価値が見いだされました。
既存設備のすべてを使用しなくても、立地や物件条件に魅力を感じる買主が現れる可能性があります。
もちろん、異業種であれば何でも出店できるわけではありません。
建物の用途、設備容量、排気・給排水設備、消防上の条件、貸主の意向などによって、出店できる業態は制限されます。
それでも、売却の可能性を検討する際には、現在の営業形態だけで判断しないことが大切です。
カフェからBARへ。
居酒屋から焼鳥店へ。
ラーメン店から立ち飲みBARへ。
既存の店舗に新しい使い方を見つけることができれば、居抜き売却の選択肢は広がります。
今回の成約は、まさにその考え方が結果につながった事例でした。
12.閉店すると決めたら、できるだけ早く相談してほしい
居抜キングには、名古屋市内で飲食店を経営する方から、さまざまな閉店相談が寄せられます。
売上が減少している。
家賃の負担が重い。
従業員が集まらない。
体力的に営業を続けることが難しくなった。
店舗が狭く、これ以上売上を増やすことができない。
理由はそれぞれ異なります。
今回の店主も、深夜帯に一定のお客様が来店しているにもかかわらず、十分な利益を確保できず、精神的な疲労が大きくなっていました。
私たちが店舗売却の相談でお伝えしたいのは、閉店を決意したら、できるだけ早い段階で居抜き売却の可能性を確認してほしいということです。
居抜き売却は、買主を募集してすぐに成立するとは限りません。
造作価格の設定、購入希望者の検討、現地確認、貸主との調整、新たな賃貸借契約など、必要な手続きがあります。
そのため、家賃の支払いが厳しくなってから動き始めるより、まだ営業に余裕がある段階で相談する方が、選択肢を確保しやすくなります。
また、閉店を決意したからといって、先にすべての設備を撤去する必要があるとは限りません。
一度撤去してしまった内装や厨房設備は、元に戻すことが難しくなります。
居抜きで売却できる可能性があるなら、撤去工事を発注する前に査定を受けることをおすすめします。
解約通知についても、貸主との契約条件を確認することが重要です。
契約終了日が決まっている場合、居抜き売却に使える期間が限られることがあります。
解約通知後に居抜き売却を進めるためには、貸主との協議が必要になるケースもあります。
今回のように、早期の成約が売主様の負担軽減につながる案件では、特に時間が重要になります。
13.高く売却することだけが成功ではない
店舗売却を検討する方にとって、少しでも高い金額で売却したいと考えるのは当然です。
何百万円、場合によっては何千万円もの費用をかけて開業した店舗であれば、なおさらでしょう。
しかし、居抜き売却においては、造作価格の高さだけで成功か失敗かを判断できません。
例えば、500万円で募集しても買主が見つからず、半年間家賃を払い続けることになった場合。
一方で、現実的な価格で募集し、短期間で売却できた場合。
家賃やその他の維持費、原状回復費用、そして店主の精神的負担まで考慮すれば、後者が有利になることもあります。
今回のラーメン店は、340万円で売却が成立しました。
しかも、原状回復費235万円を削減できています。
売却期間は29日です。
この結果には、数字だけでは表せない価値があります。
店主は約6年間、錦3丁目で営業を続けてきました。
朝5時まで働き、ワンオペで店舗を回し、利益が十分に残らない状況にも悩んでいました。
家賃の支払いにも少し遅れが生じていました。
そのような状況から、できるだけ早く次の段階へ進んでもらうこと。
それも、今回の居抜き売却で大切にした目的の一つでした。
高額売却だけを追い求めるのではなく、売主様の置かれた状況にとって何が最善なのかを考える。
居抜キングでは、今後もそうした姿勢で店舗売却に取り組んでいきたいと考えています。
14.今回の成約事例から分かる5つのポイント
今回の錦3丁目ラーメン店の居抜き売却は、飲食店の閉店を検討している方にとって、参考になる点が多い事例です。
① 深夜帯にお客様が来ていても、利益が残るとは限らない
来店客数だけではなく、営業にかかる経費や店主自身の労働時間も考える必要があります。
② 店舗の狭さは、業態によってメリットにもデメリットにもなる
8.5坪という広さは、ラーメン店では売上拡大の制約となっていましたが、立ち飲みBARという別業態での出店につながりました。
③ 造作売却価格だけでなく、原状回復費用の削減も重要
今回は340万円の売却代金に加え、235万円の原状回復費用削減を実現しました。
④ 買主を同業種に限定しないことで売却機会が広がる
ラーメン店だからラーメン店にしか売れない、というわけではありません。別業態の需要を検討することも重要です。
⑤ 店主の事情によっては、早期売却が最優先になる
精神的な疲労や家賃の負担が大きい場合、売却価格と同じくらい、成約までの期間が重要になることがあります。
15.まとめ|錦3丁目のラーメン店を29日で居抜き売却。店主の次の人生を考えた成約
今回ご紹介したのは、名古屋市中区錦3丁目で約6年間営業してきたラーメン店の居抜き売却事例です。
8.5坪のビル1階店舗。
深夜から朝5時まで営業していましたが、思うように利益が残らず、ワンオペ営業による精神的疲労も限界に近づいていました。
家賃の支払いにも多少の遅れがあり、店主は閉店を決意しました。
結果として、立ち飲みBARの出店希望者への居抜き売却が成立しました。
最終的な成約実績は、売却期間29日、売却価格340万円、原状回復費235万円削減。
売却代金と費用削減を合わせた経済効果は575万円となりました。
今回の事例で私たちが最もお伝えしたいのは、居抜き売却が単なる設備や内装の売買ではないということです。
飲食店には、経営者の人生が詰まっています。
長年かけて築き上げてきた店舗を手放すことは、簡単な決断ではありません。
特に、今回のように店主が精神的に疲れ切っているケースでは、価格交渉だけでなく、その方の今後の生活まで考える必要があると感じています。
私たちにとって、340万円で売れたことも、原状回復費を235万円削減できたことも、もちろん嬉しい結果です。
しかし、それ以上に、29日という短期間で売却が成立し、店主が長年抱えていた負担から離れる道筋をつくれたことに、大きな意味がありました。
飲食店経営を続けることだけが、必ずしも正解ではありません。
時には、店舗を手放すことが次の人生への前向きな選択になることもあります。
飲食店を開業することと同じくらい、どのように閉店するかも重要です。
居抜キングでは、名古屋市中区の錦3丁目、栄、伏見をはじめ、名駅、金山、今池、新栄、大須など、名古屋市内の飲食店居抜き売却に対応しています。
ラーメン店、居酒屋、BAR、焼肉店、カフェなど、飲食店の閉店や造作売却を検討している方は、お気軽にご相談ください。
「営業を続けるか迷っている」
「店舗が狭く、売上が伸びない」
「家賃の支払いが厳しくなってきた」
「閉店したいが、原状回復費用を支払う余裕がない」
「できるだけ早く店舗を売却したい」
そうしたご相談にも、実際の成約経験を踏まえて対応いたします。
店舗の売却可能価格だけではなく、原状回復費用や賃貸借契約上の問題も含め、状況に応じた売却方法をご提案いたします。