飲食店の居抜き売却で「必ず」確認すべき契約ポイント10選

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2026年01月06日

飲食店の居抜き売却で「必ず」確認すべき契約ポイント10選

① 造作譲渡契約は【賃貸借契約と切り離す】

最重要ポイントです。

  • 造作譲渡契約

  • 賃貸借契約

この2つは別契約であることを明確にします。

注意点

  • 賃貸借が不成立でも、造作譲渡が有効になる契約は危険

  • 「賃貸借契約締結を停止条件とする」条文を必ず入れる

👉 これを入れないと「店は借りられないけど造作代は返して」と揉めます。


② 造作譲渡代金の【支払時期・方法】を明確に

よくある失敗例:

  • 「引渡し日までに支払う」←曖昧

  • 「後日振込」←危険

必須記載

  • 支払期日(〇年〇月〇日まで)

  • 支払方法(銀行振込一括)

  • 未払い時の解除条項・違約金

👉 鍵の引渡し=全額入金後が鉄則です。


③ 手付金の扱いを必ず明記

  • 手付金の金額

  • 解約時の帰属(放棄 or 倍返し)

  • 造作代金への充当有無

これが無いと「キャンセルしたから返して」が通ります。


④ 造作物の【範囲】を具体的に特定する

契約書に

  • 厨房機器

  • エアコン

  • ダクト

  • 看板

  • 照明

などを別紙一覧で明記。

👉「それは譲渡対象外です」と後から言うと確実に揉めます。


⑤ 原状回復義務の帰属を明確に

居抜き売却でも原状回復義務は消えません

必ず明記すべき文言:

  • 原状回復義務は売主に残るのか

  • 買主が引き継ぐのか

  • 大家承諾の内容

👉 大家の承諾書が無い居抜きは危険物件です。


⑥ 大家・管理会社の【書面承諾】は必須

口約束は無効と思ってください。

承諾内容:

  • 居抜き引渡しの承諾

  • 原状回復免除の有無

  • 新借主との再契約条件

👉 書面が無い=後日「やっぱり認めてない」と言われます。


⑦ リース・割賦契約の有無を確認

  • 厨房機器

  • POSレジ

  • エアコン

リース残がある場合

  • 完済 or 名義変更 or 撤去
    を契約で明確に。

👉 残債トラブルは売主責任になります。


⑧ 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の免責

居抜き売却では原則
**「現状有姿・責任免除」**が基本。

但し、

  • 故障を知っていて隠す → 免責不可

👉 「知っている不具合は必ず書く」これが最大防御です。


⑨ 引渡し条件・引渡し日を具体化

  • 鍵の本数

  • 清掃範囲

  • 引渡し状態

「通常使用可能な状態」などの曖昧表現はNG。


⑩ 契約解除時の精算ルール

よくある揉め事:

  • どこまで進んだら解除できる?

  • 誰の都合か?

解除理由別に

  • 手付金

  • 実費

  • 違約金
    を整理しておくと安全です。


居抜き売却で失敗しやすい人の共通点

  • 仲介任せで契約書を読まない

  • 「前もこの形だったから大丈夫」

  • 大家承諾を後回しにする

👉 居抜きは不動産取引+動産売買+賃貸契約が絡む特殊取引です。


まとめ|居抜き売却は「契約書が命」

  • 売却金額より契約内容が重要

  • 曖昧な条文は必ずトラブルになる

  • 大家承諾と支払条件が最大リスク

名古屋エリアを中心に居抜き売却を多く扱ってきた立場から言いますが、
**「ちゃんとした契約」=「安心して次に進める売却」**です。

✔ 契約書チェック  ✔ トラブルにならない条文例

ここからは実務でそのまま使えるレベルでまとめます。
※「雛形」ではなくトラブル回避に特化した条文例です。

① 居抜き売却【契約書チェックリスト】

※契約前に「全てYES」になっているか確認してください


【基本構成】

  • ☐ 造作譲渡契約書は単独で作成されている

  • ☐ 賃貸借契約と停止条件で連動している

  • ☐ 大家・管理会社の書面承諾が添付されている


【金銭関係】

  • ☐ 造作譲渡代金の総額が明記されている

  • ☐ 支払期限が日付指定されている

  • ☐ 支払方法(銀行振込・一括)が明記されている

  • ☐ 入金確認後に鍵引渡しと明記されている

  • ☐ 手付金の帰属・充当・解除時の扱いが書かれている


【造作・設備】

  • ☐ 譲渡対象が別紙一覧で特定されている

  • ☐ リース・割賦品の有無が明記されている

  • ☐ 撤去物が明確になっている


【責任範囲】

  • ☐ 原状回復義務の帰属が明記されている

  • ☐ 契約不適合責任(瑕疵担保)の免責条項がある

  • ☐ 既知の不具合が明記されている


【解除・違約】

  • ☐ 解除条件が理由別に整理されている

  • ☐ 違約金 or 実費精算の規定がある

  • ☐ 賃貸借不成立時の処理が明確


② トラブルにならない【条文例】

※そのまま流用可(微調整推奨)


■ 賃貸借契約を停止条件とする条文

本契約は、本物件につき買主と貸主との間で賃貸借契約が有効に成立することを停止条件とする。
当該賃貸借契約が成立しなかった場合、本契約は当然に無効となり、売主および買主は互いに何らの債権債務を負わないものとする。

👉 居抜き売却トラブルの7割はこれで防げます


■ 造作譲渡代金の支払条文

買主は、売主に対し、本契約に基づく造作譲渡代金として金〇〇円(税込)を、〇年〇月〇日までに、売主指定の銀行口座へ一括にて振込により支払うものとする。
なお、当該代金の全額入金が確認されるまで、売主は本物件の鍵および造作物の引渡し義務を負わないものとする。


■ 手付金の処理(キャンセル防止)

買主は、本契約締結時に手付金として金〇〇円を売主に支払うものとする。
当該手付金は、造作譲渡代金の一部に充当するものとし、買主の都合による解除の場合、返還しないものとする。

※倍返し不要な場合はこの形が安全


■ 譲渡対象の明確化

本契約に基づき譲渡される造作物等は、別紙「造作物一覧表」に記載されたものに限定される。
同一覧に記載のない設備・備品等については、本契約に基づく譲渡対象には含まれないものとする。


■ 原状回復義務の整理

本物件に関する原状回復義務については、貸主の承諾内容に従い、買主が引き継ぐものとする。
ただし、本契約締結以前に生じた原状回復義務については、売主の責任とする。

※大家承諾書と必ず整合させる


■ 契約不適合責任(免責)

本契約は現状有姿による譲渡とし、売主は、本造作物について契約不適合責任を負わないものとする。
ただし、売主が本契約締結時に認識していた不具合については、別紙に記載するものとする。


■ 賃貸借不成立時の精算条文

貸主との賃貸借契約が成立しなかった場合、売主は既に受領した金員を無利息にて全額返還し、売主・買主は互いに損害賠償その他一切の請求を行わないものとする。


③ 現場目線アドバイス(超重要)

  • 曖昧な表現=必ず揉める

  • 「信頼してるから」は通用しない

  • 契約書は「性善説」で書かない

居抜き売却は
金額より「責任の切り方」が全てです。

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