居抜き売却・原状回復費・解約通知・造作譲渡・閉店費用を徹底解説
名古屋で飲食店を閉店するなら、解約通知を出す前に知っておいてほしいことがあります。
それは、閉店の進め方によって、最終的に手元に残るお金が大きく変わる可能性があるということです。
「売上が減ってきたので、そろそろ閉店したい」
「人件費や食材費が上がり、利益が残らなくなった」
「家賃が高く、毎月の固定費が負担になっている」
「従業員が辞めてしまい、営業を続けることが難しい」
「飲食店を閉店したいけれど、原状回復費が高すぎる」
「開業時に多額の費用をかけた店舗を、できれば高く売りたい」
名古屋市内で飲食店を経営している方の中には、このような悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
しかし、飲食店の閉店は、単純に営業を終了して鍵を返せば終わりというものではありません。
賃貸借契約の解約。
原状回復工事。
厨房設備の撤去。
従業員への対応。
取引先との精算。
保証金や敷金の返還。
そして、場合によっては数百万円に及ぶ閉店費用。
これらを整理する必要があります。
特に注意していただきたいのが、飲食店の居抜き売却を検討する前に、原状回復工事を決めてしまうことです。
実際には、店舗の内装や厨房設備を次の出店者へ譲渡することで、売却代金を受け取りながら原状回復費を削減できる場合があります。
例えば、名古屋市中区錦2丁目の焼き鳥店では、350万円で居抜き売却が成立し、約260万円の原状回復費を削減できました。
売却期間は52日。
また、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店では、550万円で居抜き売却が成立し、約150万円の原状回復費を削減できました。
売却期間はわずか26日でした。
もちろん、すべての店舗が同じ金額で売却できるわけではありません。
店舗の立地、賃料、面積、内装設備、買主の需要、貸主の承諾などによって結果は変わります。
それでも、閉店前に居抜き売却という選択肢を知っているかどうかで、経済的な負担が変わる可能性があります。
今回は、名古屋の店舗売却・飲食店売却・居抜き売却を取り扱う**「居抜キング」**が、飲食店を閉店する前に絶対知っておきたい30のポイントを、前編・後編に分けて詳しく解説します。
前編では、閉店を決断する前の準備から、解約通知、原状回復費、造作譲渡価格、居抜き売却の判断まで、特に重要な15項目を紹介します。
第1章|名古屋で飲食店を閉店する前に、なぜ準備が必要なのか?
飲食店を閉店する理由は、店舗によってさまざまです。
売上不振。
家賃の負担。
人手不足。
経営者の体調。
従業員の退職。
別事業への転換。
店舗移転。
複数店舗の整理。
必ずしも赤字だから閉店するとは限りません。
実際に、売上がある店舗でも、家賃や人件費などの負担によって利益が残らず、閉店を選択する場合があります。
また、経営者自身が別の事業に集中するため、営業中の店舗を売却するケースも考えられます。
重要なのは、閉店理由が何であっても、閉店に伴う費用や契約上の義務を把握してから行動することです。
飲食店では、開業時に多額の設備投資を行っていることがあります。
厨房設備、空調、給排水、ダクト、客席、内装工事などです。
しかし、閉店するときには、それらの設備を撤去するために、さらに費用が必要になる場合があります。
せっかくお金をかけて造った店舗を、お金を払って解体する。
これは、飲食店経営者にとって非常に大きな負担です。
一方、その店舗を利用したい次の出店者が見つかれば、造作譲渡という形で売却できる可能性があります。
閉店する店舗にも、次の経営者にとっての価値が残っている場合があるのです。
第2章|飲食店を閉店する前に知っておきたい30のこと【前編1〜15】
① 閉店を決める前に、本当に営業継続が難しいのか整理する
飲食店を閉店しようと考えたとき、最初に確認したいのは、現在の経営状況です。
例えば、売上が減少している場合でも、一時的な問題なのか、長期的な問題なのかによって判断は変わります。
また、売上はあるものの、家賃や人件費によって利益が残らない場合もあります。
このような状況では、売上だけでなく、毎月の収支を確認することが重要です。
具体的には、売上、食材費、人件費、家賃、共益費、水道光熱費、広告費、借入金返済などを整理します。
そのうえで、営業を続けた場合と閉店した場合の負担を比較します。
ただし、経営を続けることだけが正解ではありません。
赤字が続いている場合、早い段階で店舗売却を検討した方が、損失を抑えられる可能性もあります。
閉店は失敗ではなく、経営上の一つの選択です。
大切なのは、感情だけで判断せず、数字を確認することです。
② 閉店費用の総額を把握する
飲食店を閉店するとき、最初に考えるのは原状回復費かもしれません。
しかし、閉店費用はそれだけではありません。
例えば、次のような費用が発生する場合があります。
原状回復工事費
厨房設備の撤去・処分費
解約予告期間中の賃料
従業員に関する費用
リース契約の残債
取引先への未払金
廃棄物処分費
清掃費
看板撤去費
その他、契約終了に伴う費用
これらを合計すると、予想以上の金額になる場合があります。
例えば、原状回復費が200万円、解約予告期間中の賃料が150万円、その他の費用が50万円であれば、合計400万円です。
これはあくまで計算例ですが、閉店費用を把握せずに解約通知を出すことにはリスクがあります。
一方、居抜き売却が成立すれば、造作譲渡代金を受け取り、原状回復費を削減できる可能性があります。
そのため、閉店費用を計算するときには、スケルトン返却と居抜き売却の両方を比較することが重要です。
③ 賃貸借契約書を必ず確認する
飲食店の閉店で、非常に重要なのが賃貸借契約書です。
契約書には、解約予告期間、原状回復義務、保証金の精算、禁止事項などが定められていることがあります。
例えば、解約予告期間が6か月の場合、原則として契約に従った予告が必要になります。
ただし、実際の解約条件は契約内容によって異なります。
また、普通借家契約なのか、定期建物賃貸借契約なのかによっても、終了や中途解約の取扱いが異なる場合があります。
確認したい主な項目は次のとおりです。
解約予告期間は何か月か。
原状回復の範囲はどこまでか。
スケルトン返却が必要なのか。
造作譲渡に関する制限はあるか。
保証金や敷金の返還条件はどうなっているか。
中途解約に違約金はあるか。
これらを確認せずに閉店を進めると、想定外の費用が発生する可能性があります。
名古屋で飲食店を閉店する場合、まずは賃貸借契約書を確認することが基本です。
④ 解約通知を出すタイミングを間違えない
今回の記事で、特に強調したいポイントです。
居抜き売却を考えているなら、解約通知を出す前に相談することをおすすめします。
なぜなら、解約通知を提出すると、契約上の退去期限が決まる場合があるからです。
例えば、解約予告期間が6か月であれば、通知後の限られた期間で買主を探す必要があります。
その間に、内覧、価格交渉、貸主の承諾、保証会社の審査、新しい賃貸借契約の締結などを進めなければならない場合があります。
買主が見つかっても、契約手続きが間に合わなければ、居抜き売却が成立しない可能性があります。
また、解約通知を提出した後に、自由に撤回できるとは限りません。
貸主との合意が必要になる場合もあります。
したがって、閉店を検討し始めた段階で、居抜き売却の可能性を確認することが重要です。
「閉店を決めたら、まず解約通知」ではなく、「解約通知の前に、売却できるか確認する」ことが大切です。
⑤ 解約予告期間中の家賃を計算する
飲食店を閉店する場合、営業を終了した後も家賃が発生することがあります。
例えば、月額賃料30万円で、解約予告期間が6か月の場合を考えてみましょう。
単純計算では、6か月分の賃料は180万円です。
さらに共益費などが発生する場合もあります。
もちろん、実際の負担は契約条件や解約通知の時期によって異なります。
しかし、閉店費用を考える際には、営業終了日と賃貸借契約の終了日を分けて考える必要があります。
店舗の営業をやめたからといって、その日から家賃が不要になるとは限りません。
また、居抜き売却が成立しても、既存の賃貸借契約が当然に終了するわけではありません。
貸主との合意や新しい契約の締結など、必要な手続きを確認する必要があります。
飲食店の閉店では、原状回復費だけでなく、残りの家賃負担も重要です。
⑥ 原状回復費がいくらかかるのか確認する
飲食店の閉店で、大きな負担になりやすいのが原状回復費です。
飲食店では、厨房設備、ダクト、給排水設備、内装、カウンターなどを設置している場合があります。
そのため、撤去工事が必要になると、相応の費用が発生する可能性があります。
特に、焼肉店、焼き鳥店、居酒屋、ラーメン店などでは、設備の内容によって工事費が大きく変わります。
ただし、原状回復費は坪数だけで決まるものではありません。
例えば、同じ20坪でも、厨房設備が少ない店舗と、大型の排気設備がある店舗では工事内容が異なります。
また、ビルの階数や搬出経路、工事時間の制限などによっても費用が変わる場合があります。
そのため、閉店を検討する際には、原状回復工事の見積もりを取得し、費用を把握しておくことが重要です。
原状回復費が分かれば、居抜き売却によってどの程度の負担を減らせる可能性があるのか判断しやすくなります。
⑦ スケルトン返却の範囲を確認する
「スケルトン返却」と聞くと、内装をすべて撤去することを想像する方が多いと思います。
しかし、実際にどこまで撤去する必要があるのかは、契約内容や貸主との合意によって異なります。
例えば、床や壁の仕上げ材だけでなく、厨房設備、給排水設備、空調設備、ダクトなどについても確認が必要です。
また、もともと建物に設置されていた設備と、借主が設置した設備を区別する必要があります。
撤去してはいけない設備を撤去してしまえば、別の問題が発生する可能性があります。
一方、撤去義務のある設備を残したまま退去すると、追加費用を請求される場合があります。
そのため、原状回復工事を依頼する前に、契約書や入居時の資料を確認し、必要に応じて貸主と撤去範囲を協議することが重要です。
なお、住宅向けの一般的な原状回復の考え方を、事業用店舗のスケルトン返却義務にそのまま当てはめることはできません。
飲食店の原状回復では、個別の賃貸借契約と有効な特約の内容が重要になります。
⑧ 原状回復工事を始める前に居抜き売却を検討する
飲食店を閉店するとき、原状回復工事を先に進めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、厨房設備や内装を撤去した後では、居抜き売却できるものが少なくなってしまいます。
例えば、まだ使用できる厨房設備がある店舗でも、撤去・処分してしまえば、次の買主へ引き継ぐことができません。
一方、既存の設備を利用したい出店希望者が見つかれば、設備を残した状態で売却できる可能性があります。
また、買主が内装を全面的に変更する場合でも、立地や出店機会に価値を感じて購入することがあります。
実際に、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店では、買主が既存内装を撤去する計画でありながら、550万円で売却が成立しました。
これは、居抜き売却の価値が設備の再利用だけで決まるわけではないことを示しています。
解体工事を始める前に、その店舗を必要としている買主がいないか確認することが重要です。
⑨ 居抜き売却とスケルトン返却の違いを理解する
飲食店を閉店する場合、大きく分けて、原状回復して返還する方法と、居抜き売却を検討する方法があります。
スケルトン返却では、賃貸借契約に従って必要な工事を行い、貸主へ物件を返還します。
一方、居抜き売却では、店舗の造作や設備を次の出店者へ譲渡することを目指します。
ただし、居抜き売却には貸主の承諾などが必要になる場合があります。
また、売主と買主が合意しただけで、原状回復義務が自動的に免除されるわけではありません。
例えば、原状回復費が250万円かかる店舗を300万円で居抜き売却でき、貸主との合意により原状回復費も不要になった場合を考えてみましょう。
スケルトン返却では250万円の支出。
居抜き売却では300万円の売却代金を受け取り、250万円の支出を回避。
両者の単純な経済的差は550万円になります。
もちろん、これは計算例です。
実際には、仲介費用、保証金精算、リース残債、税金などが関係します。
それでも、閉店方法によって経済的な結果が変わる可能性があることは理解しておきたいポイントです。
⑩ 造作譲渡とは何かを理解する
造作譲渡とは、店舗に設置された内装や設備などを、次の買主へ譲渡することです。
例えば、居酒屋の場合、厨房設備、カウンター、テーブル、椅子、照明、空調などが対象になる場合があります。
ただし、すべての設備が売主の所有物とは限りません。
リース契約中の設備や貸主所有の設備などは、売主が自由に譲渡できない場合があります。
そのため、造作譲渡契約では、譲渡対象物を明確にすることが重要です。
また、造作譲渡価格は、単純に開業時の工事費から計算できるものではありません。
買主が既存設備をどの程度利用できるか、店舗の立地や賃貸条件がどうかによって評価は変わります。
例えば、開業時に1,000万円かけた店舗でも、必ず500万円で売却できるわけではありません。
一方、設備の再利用価値が限定的でも、出店立地に魅力があれば高額で売却できる場合があります。
造作譲渡価格は、過去の投資額だけでなく、次の買主にとっての価値によって左右されます。
⑪ 自分の店舗がいくらで売れるのか査定する
名古屋で飲食店を居抜き売却する際、多くの経営者が気になるのが売却価格です。
「内装工事に800万円かけた」
「厨房設備はまだ新しい」
「駅から近い」
「営業期間が短い」
こうした条件は査定の参考になります。
しかし、造作譲渡価格は、それだけで決まるものではありません。
重要なのは、立地、家賃、面積、階数、設備状態、業態、買主の需要などを総合的に判断することです。
例えば、名古屋市中区錦2丁目の焼き鳥店は、約21坪で350万円の売却が成立しました。
一方、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店は、約11坪で550万円の売却が成立しました。
面積が小さい店舗の方が高額で売却されたのです。
ただし、この2件だけで、11坪の店舗が21坪の店舗より高く売れると判断することはできません。
それぞれの立地や買主の出店目的が異なるためです。
居抜き売却の査定では、店舗面積だけでなく、買主がその店舗をどのように利用するかを考えることが重要です。
⑫ 高額査定だけを信用しない
店舗売却を検討している方の中には、複数の不動産会社に査定を依頼する方もいると思います。
例えば、A社が500万円、B社が350万円と査定した場合、A社へ依頼したくなるかもしれません。
しかし、査定価格と実際の成約価格は異なります。
500万円で募集しても、購入希望者が見つからなければ売却できません。
一方、350万円という価格でも、条件に合う買主が見つかれば成約につながる可能性があります。
もちろん、最初から必要以上に安く募集することが正解というわけでもありません。
重要なのは、査定価格の根拠です。
どのような買主を想定しているのか。
家賃条件はどうか。
設備の状態はどうか。
売却までにどの程度の時間があるのか。
貸主の承諾は得られる見込みなのか。
これらを確認することが大切です。
高い査定額を提示されたからといって、その金額で売れることが保証されるわけではありません。
⑬ 売却希望価格と成約価格の違いを理解する
居抜き売却では、売主の希望価格と実際の成約価格が異なる場合があります。
例えば、売主が400万円で売却したいと考えていても、買主が350万円でなければ購入できないと判断する場合があります。
このようなとき、売主は価格を維持するか、交渉に応じるかを判断する必要があります。
実際に、名古屋市中区錦2丁目の焼き鳥店では、当初400万円での売却を希望されていました。
しかし、反響はそれほど多くなく、最終的には350万円で売却が成立しました。
売却期間は52日。
原状回復費は約260万円削減できました。
希望価格より50万円低い結果となりましたが、原状回復費を削減しながら売却できたことには大きな意味があります。
もちろん、価格交渉に応じれば必ず売却できるわけではありません。
買主の資金力や貸主の承諾など、ほかの条件も重要です。
飲食店の閉店では、希望価格だけにこだわるのではなく、売却できなかった場合の負担も比較することが大切です。
⑭ 厨房設備や内装を勝手に処分しない
飲食店を閉店するとき、不要になった厨房設備を売却したり、処分したりすることがあります。
しかし、設備の所有者を確認せずに処分することは避けるべきです。
例えば、リース契約中の設備は、原則として売主が自由に処分できるものではありません。
また、貸主が所有する設備を撤去してしまうと、契約上の問題になる可能性があります。
さらに、居抜き売却を検討している場合、設備を先に処分すると、買主が利用できる設備が減ってしまいます。
例えば、業務用冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機などを処分した後に、同じ業態で開業したい買主が現れた場合、買主は新たに設備を購入しなければなりません。
その結果、店舗の評価が下がる可能性があります。
したがって、閉店を検討する際には、厨房設備や内装を処分する前に、居抜き売却の可能性を確認することが重要です。
店舗を高く売りたいのであれば、設備を残すか撤去するかの判断も慎重に行う必要があります。
⑮ 閉店を周囲に知らせるタイミングを考える
飲食店の閉店では、従業員、取引先、お客様などへの対応も重要です。
しかし、閉店を検討している段階で、すべての関係者に一斉に知らせることが適切とは限りません。
例えば、まだ居抜き売却を検討している段階で閉店情報が広まると、営業に影響する可能性があります。
一方、従業員への説明が遅れれば、雇用関係のトラブルにつながるおそれがあります。
そのため、閉店情報の取扱いは、関係者ごとに考える必要があります。
従業員については、労働契約や解雇予告など、法律上必要な対応を確認することが重要です。
また、取引先についても、契約終了や未払金の精算などを整理する必要があります。
居抜き売却を進める場合には、営業中の店舗であることを考慮し、内覧方法や情報公開の範囲について慎重に検討することが大切です。
閉店の準備では、売却価格だけでなく、従業員や取引先への影響も考える必要があります。
第3章|名古屋で飲食店を閉店する前に、居抜き売却を検討するメリット
ここまで、飲食店を閉店する前に確認したい15のポイントを紹介しました。
では、なぜ居抜き売却を検討することが重要なのでしょうか。
大きな理由は、閉店に伴う経済的な負担を減らせる可能性があるからです。
例えば、飲食店をスケルトン返却する場合、原状回復費が必要になることがあります。
さらに、厨房設備や内装を撤去・処分する費用が発生する場合もあります。
一方、居抜き売却が成立すれば、造作譲渡代金を受け取れる可能性があります。
また、貸主との合意によって、原状回復費を削減できる場合があります。
ただし、居抜き売却が成立したからといって、すべての費用が不要になるわけではありません。
保証金精算、仲介費用、リース残債、税金などについては、個別に確認する必要があります。
それでも、店舗を解体して返還する場合と比較すると、大きな違いが生じる可能性があります。
第4章|実際の成約事例①|名古屋市中区錦2丁目・焼き鳥店を350万円で居抜き売却
居抜キングが取り扱った成約事例をご紹介します。
所在地は、名古屋市中区錦2丁目。
ビル2階にある約21坪の焼き鳥店でした。
営業期間は約3年。
売主様は、売上不振を理由に店舗売却を検討されました。
錦2丁目という立地でしたが、店舗はビル2階にあり、通行人から見つけてもらいにくいという特徴がありました。
当初の希望売却価格は400万円。
しかし、募集後の反響は期待したほど多くありませんでした。
最終的には、居酒屋の開業を希望する買主様と350万円で条件がまとまりました。
成約結果
売却価格:350万円
売却期間:52日
原状回復費削減額:約260万円
業態変更:焼き鳥店から居酒屋へ
売主様の希望価格より50万円低い結果となりましたが、約260万円の原状回復費を削減できました。
この事例から分かるのは、売却価格だけでなく、閉店費用全体を考えることの重要性です。
また、ビル2階の飲食店でも、条件に合う買主が見つかれば居抜き売却できる可能性があります。
第5章|実際の成約事例②|名古屋市中区大須4丁目・スイーツ店を550万円で居抜き売却
続いて、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店です。
ビル1階、約11坪。
営業期間は約3年でした。
こちらの店舗は、お客様が来店しており、売上もありました。
しかし、賃料が高額だったため、思うように利益が残らない状況でした。
さらに、主力社員の退職をきっかけに、売主様は店舗売却を決断されました。
今回、買主となったのはブランド買取店の出店を希望する企業でした。
しかも、買主は550万円で造作を購入したうえで、既存の内装を撤去し、新しい店舗を造る予定だったのです。
成約結果
売却価格:550万円
売却期間:26日
原状回復費削減額:約150万円
業態変更:スイーツ店からブランド買取店へ
11坪の店舗が550万円で売却できたことも特徴的ですが、買主が既存内装を利用しない計画だったことは、特に印象的でした。
この事例から分かるのは、居抜き売却の価値は厨房設備や内装だけでは決まらないということです。
立地や買主の出店戦略によっては、飲食店以外の業種へ売却できる可能性があります。
名古屋で店舗を売却する場合、現在と同じ業態の買主だけに限定する必要はありません。
第6章|飲食店の閉店費用を減らすために重要な考え方
飲食店を閉店する場合、多くの経営者は、できるだけ費用を抑えたいと考えると思います。
しかし、閉店費用を抑えるためには、単純に安い解体業者を探すだけでは十分ではありません。
重要なのは、閉店方法そのものを比較することです。
例えば、原状回復費が200万円かかる店舗でも、居抜き売却が成立すれば、その費用を削減できる可能性があります。
さらに、造作譲渡代金を受け取れる場合もあります。
一方、売却できなかった場合には、契約に従って原状回復を行う必要があります。
そのため、売却できる可能性、退去期限、貸主の承諾、買主の需要などを考慮しながら判断することが重要です。
閉店費用を考える際の3つの視点
① スケルトン返却した場合の総費用
原状回復費、残りの家賃、設備処分費などを確認します。
② 居抜き売却した場合の経済的な効果
造作譲渡代金、削減できる原状回復費、必要な諸費用などを確認します。
③ 売却が成立するまでの期間
退去期限までに売却できる可能性があるかを検討します。
この3つを比較することで、閉店方法を判断しやすくなります。
飲食店の閉店では、目先の費用だけでなく、最終的な経済的負担を考えることが重要です。
第7章|名古屋で飲食店を閉店する前によくある質問
Q1.赤字の飲食店でも居抜き売却できますか?
可能性はあります。
居抜き売却では、現在の店舗の売上だけでなく、立地、家賃、設備状態、買主の需要などが評価されます。
ただし、赤字の原因が家賃や立地にある場合、次の買主にも影響する可能性があります。
Q2.閉店を決めていなくても相談できますか?
相談できます。
むしろ、閉店を検討し始めた段階で相談することで、売却活動に必要な時間を確保しやすくなります。
Q3.解約通知を出した後でも居抜き売却できますか?
可能性はあります。
ただし、退去期限までに買主探しや契約手続きを進める必要があります。
また、貸主の承諾が必要になる場合があります。
Q4.居抜き売却すれば原状回復費は必ず不要になりますか?
必ずしも不要になるわけではありません。
原状回復義務は、賃貸借契約や貸主との合意内容によって決まります。
Q5.厨房設備が古くても売却できますか?
可能性はあります。
設備の状態だけでなく、立地や賃貸条件、買主の出店目的なども評価されます。
ただし、故障や不具合については正確に説明することが重要です。
Q6.飲食店以外の買主にも売却できますか?
可能性はあります。
実際に、大須4丁目のスイーツ店は、ブランド買取店の出店希望企業へ売却されました。
ただし、貸主の承諾や建物の使用条件を確認する必要があります。
Q7.売却価格はどのように決まりますか?
立地、家賃、面積、設備状態、買主の需要などを総合的に考えます。
最終的な成約価格は、売主と買主の合意によって決まります。
第8章|前編まとめ|名古屋で飲食店を閉店するなら、解約通知の前に居抜き売却を検討
今回は、名古屋で飲食店を閉店する前に知っておきたい30のことのうち、前編として15項目を解説しました。
飲食店の閉店では、営業終了日を決めるだけでなく、賃貸借契約、解約予告期間、原状回復費、厨房設備、造作譲渡、売却価格などを整理する必要があります。
特に重要なのは、解約通知を出す前に居抜き売却の可能性を確認することです。
なぜなら、解約通知を提出すると、退去期限までの時間が限られる場合があるからです。
また、原状回復工事を始めてしまうと、既存設備を活用した居抜き売却が難しくなることがあります。
実際に、名古屋市中区錦2丁目の焼き鳥店では、350万円で居抜き売却が成立し、約260万円の原状回復費を削減できました。
名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店では、550万円で売却が成立し、約150万円の原状回復費を削減できました。
もちろん、すべての店舗が高額で売却できるわけではありません。
しかし、店舗を解体する前に売却の可能性を確認することには、大きな意味があります。
「飲食店を閉店したい」
「名古屋で店舗を売却したい」
「居抜き売却で少しでも資金を回収したい」
「原状回復費をできるだけ削減したい」
そのような方は、閉店を決める前に一度ご相談ください。
居抜キングでは、名古屋市中区栄・錦・大須・伏見・丸の内をはじめ、名駅、金山、今池など、名古屋市内の店舗売却・飲食店売却・居抜き売却についてご相談を承っています。
店舗を閉めることと、店舗の価値がなくなることは同じではありません。
次の経営者にとって、その店舗が新しい事業を始める場所になる可能性があります。
【2026年最新版】名古屋で飲食店を閉店する前に絶対知っておきたい30のこと|居抜き売却・原状回復費・解約通知・造作譲渡・閉店費用を徹底解説【後編】|居抜キング
名古屋市で飲食店の閉店を検討している経営者の皆様へ。
飲食店の閉店で最も避けたいのは、売却できる可能性があった店舗を、何も検討せずに解体してしまうことです。
飲食店を閉店するときには、原状回復費、解約予告期間中の家賃、厨房設備の撤去費、従業員への対応など、さまざまな問題が発生します。
特に名古屋市中区の栄・錦・大須、名古屋駅周辺、金山、今池などで店舗を経営している場合、立地や賃貸条件によっては、次の出店希望者へ店舗を売却できる可能性があります。
しかし、居抜き売却は単純に「買主が見つかれば終わり」というものではありません。
売主と買主が造作譲渡価格について合意しても、大家の承諾が得られなければ売却できない場合があります。
買主が見つかっても、保証会社の審査に通らなければ新しい賃貸借契約を締結できないことがあります。
さらに、売却価格が決まっても、厨房設備の所有権、リース契約、原状回復義務、引渡し条件などが整理されていなければ、契約後のトラブルにつながる可能性があります。
つまり、飲食店の居抜き売却では、買主探しと同じくらい契約条件の整理が重要なのです。
前編では、飲食店を閉店する前に知っておきたい30のことのうち、1〜15を解説しました。
後編では、残りの16〜30を詳しく紹介します。
さらに、名古屋市内で実際に居抜き売却が成立した事例と、残念ながら売却が成立しなかった事例を比較しながら、閉店時の損失を抑えるための考え方を解説します。
名古屋で飲食店の閉店・店舗売却・居抜き売却を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
第9章|飲食店を閉店する前に知っておきたい30のこと【後編16〜30】
⑯ 居抜き売却では買主の探し方が重要になる
飲食店の居抜き売却では、どのような買主を探すかによって、売却結果が変わる場合があります。
例えば、焼き鳥店を売却する場合、次の買主も焼き鳥店を開業するとは限りません。
居酒屋、和食店、創作料理店など、既存の厨房設備を活用できる業態が候補になることがあります。
また、店舗の立地によっては、飲食店以外の業種が購入を希望する場合もあります。
実際に、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店では、ブランド買取店の出店を希望する企業へ550万円で売却が成立しました。
買主は既存の内装を撤去して、新しい店舗を造る予定でした。
この事例から分かるのは、居抜き売却の買主を現在と同じ業態に限定する必要はないということです。
店舗の価値は、厨房設備だけでなく、立地や出店機会にも存在します。
ただし、異業種への転用には、貸主の承諾や建物の使用条件などの確認が必要です。
⑰ 大家の承諾を得られるか確認する
居抜き売却で非常に重要なのが、大家の承諾です。
売主と買主が造作譲渡価格について合意しても、貸主が新しい借主との契約を認めなければ、予定していた売却が成立しない場合があります。
例えば、居酒屋から居酒屋への引継ぎであっても、貸主が新しい借主の事業内容や資金状況を確認することがあります。
また、居酒屋からバー、カフェから焼肉店など、業態が変更される場合には、建物の設備や使用条件が問題になることがあります。
貸主が新しい賃貸借契約を締結するかどうかは、個別の事情によって判断されます。
そのため、居抜き売却を進める際には、早い段階で貸主や管理会社へ確認することが重要です。
ただし、買主が決まっていない段階での相談方法や情報の伝え方については、現在の賃貸借契約や営業状況を踏まえて慎重に検討する必要があります。
居抜き売却は、売主と買主だけで完結する取引ではありません。
⑱ 管理会社との調整を軽視しない
飲食店の居抜き売却では、管理会社が契約手続きの窓口になる場合があります。
例えば、次のような手続きです。
新しい借主の入居申込み
営業業態の確認
保証会社への審査申込み
貸主との賃貸条件の調整
契約開始日の調整
既存借主の退去手続き
設備や造作の引継ぎ条件の確認
これらの手続きが円滑に進まなければ、買主が見つかっても契約締結まで時間がかかる場合があります。
特に、買主が早期開業を希望している場合には、手続きの遅れが出店計画に影響することがあります。
ただし、管理会社にも必要な確認事項があります。
単純に手続きを急がせるのではなく、必要な書類や条件を整理し、適切に調整することが大切です。
⑲ 保証会社の審査に通る買主か確認する
店舗の賃貸借契約では、保証会社への加入が必要になる場合があります。
そのため、造作譲渡代金を支払える買主であっても、保証会社の審査に通らなければ、新しい賃貸借契約を締結できないことがあります。
例えば、買主が新規開業者の場合、事業計画や資金状況などが確認されることがあります。
また、法人の場合でも、会社の財務状況などが審査対象になる場合があります。
審査基準は保証会社や契約条件によって異なるため、一律に判断することはできません。
重要なのは、買主が購入を希望しているという事実だけでなく、実際に賃貸借契約を締結できる見込みがあるかどうかです。
造作譲渡契約を進める際には、入居審査との関係を明確にすることが重要です。
⑳ 買主の資金力と開業資金を確認する
居抜き売却では、買主の資金力も重要です。
例えば、造作譲渡価格が300万円の店舗でも、買主が必要とする資金は300万円だけではありません。
保証金、礼金、仲介手数料、保証会社の初回保証料、前家賃、内装工事費、設備費、運転資金などが必要になる場合があります。
仮に造作譲渡代金300万円、賃貸借契約の初期費用250万円、追加工事費150万円、運転資金200万円とすると、必要資金は合計900万円です。
これはあくまで計算例ですが、造作譲渡価格だけで買主の負担を判断することはできません。
買主が融資を予定している場合には、融資審査の結果によって契約条件が変わる可能性もあります。
そのため、売却活動では、買主の購入意思だけでなく、資金計画についても確認することが重要です。
㉑ 造作譲渡契約書の内容を確認する
飲食店の居抜き売却では、造作譲渡契約書が重要になります。
契約書には、売主、買主、譲渡価格、支払方法、引渡し時期、譲渡対象物などを明確にする必要があります。
特に注意したいのが、どの設備を譲渡するのかという点です。
例えば、厨房設備一式と記載するだけでは、どの機器が含まれるのか分からない場合があります。
そのため、必要に応じて設備一覧表を作成し、譲渡対象物を明確にすることが重要です。
また、次のような条件も確認する必要があります。
買主の入居審査が否決された場合はどうなるのか。
貸主が新しい賃貸借契約を認めなかった場合はどうなるのか。
売主が引渡しできなかった場合はどうなるのか。
買主が代金を支払わなかった場合はどうなるのか。
設備に不具合があった場合はどうなるのか。
これらを曖昧にしたまま契約すると、後のトラブルにつながる可能性があります。
造作譲渡契約は、金額だけでなく、解除条件や引渡し条件まで確認することが重要です。
㉒ 造作譲渡代金の支払時期を明確にする
居抜き売却では、造作譲渡代金をいつ支払うのかも重要です。
例えば、契約締結時に手付金を支払い、引渡し時に残代金を支払う方法があります。
ただし、支払方法は個別の契約条件によって異なります。
重要なのは、売主と買主が支払時期について明確に合意していることです。
また、買主の入居審査が否決された場合や、貸主の承諾が得られなかった場合の返金条件も整理する必要があります。
契約書の内容が不明確だと、売主と買主の認識に違いが生じる可能性があります。
そのため、支払条件、解除条件、返金条件を明確にしておくことが大切です。
㉓ 原状回復義務がなくなる条件を確認する
居抜き売却が成立した場合でも、売主の原状回復義務が当然になくなるわけではありません。
例えば、売主と買主が造作譲渡契約を締結しても、貸主との賃貸借契約に基づく原状回復義務は別の問題です。
そのため、貸主が設備や内装を残した状態での返還を認めるかどうかを確認する必要があります。
また、買主が新しい賃貸借契約を締結する場合、既存の造作や設備についてどのように取り扱うのかも重要です。
例えば、将来の退去時に誰が原状回復義務を負うのかについても、契約条件を整理する必要があります。
売主が原状回復費を削減できるかどうかは、こうした合意内容によって変わります。
居抜き売却では、造作譲渡契約と賃貸借契約の両方を確認することが重要です。
㉔ リース契約や設備の所有権を整理する
飲食店では、厨房設備をリース契約で導入している場合があります。
例えば、業務用冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機などです。
しかし、リース契約中の設備は、原則として売主が自由に売却できるものではありません。
そのため、居抜き売却を進める際には、設備の所有者を確認する必要があります。
また、リース契約に残債がある場合には、契約条件に従った対応が必要です。
買主が設備の引継ぎを希望していても、リース会社の承諾などが必要になる場合があります。
さらに、貸主所有の設備についても、売主が勝手に譲渡することはできません。
居抜き売却では、設備が店舗内にあることと、売主が所有していることを区別する必要があります。
㉕ 設備の故障や不具合を正確に説明する
居抜き売却では、設備の状態について正確に説明することが重要です。
例えば、業務用冷蔵庫の冷却能力が低下している場合。
エアコンから異音がする場合。
排水設備に不具合がある場合。
厨房機器の一部が正常に作動しない場合。
このような問題を把握しているのであれば、買主へ事前に説明する必要があります。
また、契約不適合責任を一定範囲で免責する特約を設ける場合でも、知っている不具合を説明しなくてよいとは限りません。
売却後のトラブルを防ぐためには、設備の状態を確認し、譲渡対象物を明確にすることが重要です。
㉖ 従業員への対応と雇用関係を整理する
飲食店を閉店する場合、従業員への対応も重要です。
例えば、正社員、アルバイト、パートなど、雇用形態によって確認すべき事項があります。
閉店に伴って従業員を解雇する場合には、解雇の有効性や解雇予告など、労働関係法令に基づく対応が必要です。
一般に、解雇する場合には少なくとも30日前の予告、または不足日数に応じた解雇予告手当が必要となる場合があります。
ただし、適用除外や個別の事情もあるため、具体的な対応は確認が必要です。
また、未払賃金や有給休暇、社会保険などについても整理する必要があります。
なお、店舗を居抜き売却したからといって、従業員の雇用契約が当然に買主へ引き継がれるわけではありません。
従業員の雇用については、別途適切な対応が必要です。
㉗ 取引先・仕入先との契約を整理する
飲食店では、食材の仕入先、酒類販売業者、清掃業者、通信会社、決済サービスなど、さまざまな取引先と契約している場合があります。
閉店する際には、これらの契約を整理する必要があります。
例えば、定期的な食材配送を停止する。
未払金を精算する。
レンタル機器を返却する。
決済サービスの契約を終了する。
こうした手続きを確認しておくことが重要です。
また、取引先との契約に解約予告期間や違約金が定められている場合もあります。
そのため、閉店費用を計算する際には、賃貸借契約以外の契約についても確認する必要があります。
㉘ 保健所・税務署・年金事務所などの手続きを確認する
飲食店を閉店する場合、行政上の手続きが必要になることがあります。
例えば、飲食店営業許可に関する廃業届など、保健所への手続きが必要になる場合があります。
また、個人事業主の場合には、税務署への廃業届などが必要になることがあります。
法人の場合には、店舗を閉店するだけなのか、会社自体を解散・清算するのかによって必要な手続きが異なります。
さらに、従業員を雇用している場合には、雇用保険、社会保険、労働保険などの手続きが必要になることがあります。
なお、店舗を閉店しただけで、すべての届出が自動的に完了するわけではありません。
必要な手続きは、事業形態や許認可、従業員の有無などによって異なります。
そのため、関係する行政機関や専門家へ確認することが重要です。
㉙ 保証金・敷金の返還条件を確認する
飲食店を閉店する場合、保証金や敷金の返還も重要です。
店舗の賃貸借契約では、保証金や敷金が高額になることがあります。
しかし、契約終了時に全額が返還されるとは限りません。
例えば、契約に保証金の償却が定められている場合があります。
また、未払賃料や原状回復費などが精算対象になる場合もあります。
そのため、閉店費用を計算する際には、保証金の返還予定額も確認することが重要です。
例えば、保証金300万円のうち100万円が償却される契約であれば、単純に300万円が返還されるわけではありません。
さらに、未払金などがあれば精算額が変わる可能性があります。
閉店時の資金計画では、支払う費用だけでなく、返還される可能性のある資金も整理することが大切です。
㉚ 居抜き売却が成立しなかった場合の対応も考えておく
最後に、非常に重要なポイントです。
居抜き売却を検討していても、必ず買主が見つかるとは限りません。
また、買主が見つかっても、貸主の承諾や保証会社の審査などの条件が整わず、契約が成立しない場合があります。
そのため、売却活動を始める段階で、売却できなかった場合の対応も考えておくことが重要です。
例えば、希望価格を変更する。
募集する買主の業態を広げる。
引渡し条件を見直す。
原状回復工事の準備を進める。
このように、状況に応じて対応を検討する必要があります。
特に、退去期限が決まっている場合には、売却活動と並行して原状回復工事の見積もりなどを準備しておくことが重要です。
居抜き売却は有効な選択肢ですが、必ず成功する方法ではありません。
だからこそ、売却できた場合とできなかった場合の両方を想定しておくことが大切です。
第10章|名古屋で実際にあった居抜き売却の成功事例
ここからは、居抜キングが取り扱った実際の店舗売却事例を紹介します。
飲食店の閉店では、店舗の条件や売主の事情によって結果が異なります。
そのため、成約事例を参考にしながら、居抜き売却の可能性を考えることが重要です。
成功事例①|名古屋市中区錦2丁目・焼き鳥店を350万円で売却
名古屋市中区錦2丁目にある焼き鳥店の事例です。
店舗はビル2階、約21坪。
営業期間は約3年でした。
売主様は、売上不振を理由に店舗売却を検討されました。
当初の希望売却価格は400万円。
しかし、募集後の反響は期待したほど多くありませんでした。
最終的には、居酒屋の開業を希望する買主様へ350万円で売却が成立しました。
売却価格:350万円
売却期間:52日
原状回復費削減額:約260万円
この事例では、希望価格より50万円低い金額での売却となりました。
しかし、約260万円の原状回復費を削減できたことには大きな意味があります。
仮に居抜き売却が成立せず、原状回復費260万円を負担していた場合と比較すると、売却代金350万円と削減額260万円を合わせた単純な経済的差は610万円です。
ただし、これは仲介費用や税金などを考慮する前の比較であり、610万円がそのまま利益になるわけではありません。
閉店では、売却価格だけでなく、原状回復費の削減も重要な判断材料になります。
成功事例②|名古屋市中区大須4丁目・スイーツ店を550万円で売却
次に、名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店です。
店舗はビル1階、約11坪。
営業期間は約3年でした。
こちらの店舗は、売上がなかったわけではありません。
お客様の来店もありましたが、高額な賃料によって利益が残りにくい状況でした。
さらに、主力社員の退職をきっかけに売却を決断されました。
最終的に買主となったのは、ブランド買取店の出店を希望する企業でした。
特に特徴的だったのは、買主が既存の内装を撤去して新しい店舗を造る予定だったことです。
売却価格:550万円
売却期間:26日
原状回復費削減額:約150万円
この事例では、約11坪の店舗が550万円で売却されました。
さらに、約150万円の原状回復費を削減できました。
スケルトン返却によって150万円を負担し、売却代金を受け取らなかった場合と比較すると、単純な経済的差は700万円です。
ただし、これも諸費用や税金などを考慮する前の比較です。
この事例から分かるのは、居抜き売却の価値が厨房設備や内装だけで決まるわけではないということです。
次の買主がその立地を必要としている場合、現在とは異なる業態への売却が成立する可能性があります。
第11章|名古屋で居抜き売却が成立しなかった事例から学ぶ
ここまで成功事例を紹介しましたが、居抜き売却は必ず成立するわけではありません。
実際には、希望価格、賃貸条件、業態制限などが原因で売却できない場合があります。
ここでは、居抜キングが取り扱った不成約事例をご紹介します。
不成約事例①|名古屋市中区錦3丁目・バー
錦3丁目にあるバーの事例です。
こちらの店舗では、売主様が800万円での売却を希望されていました。
しかし、賃貸借契約が定期建物賃貸借契約であり、契約期間が3年という条件がありました。
買主にとって、出店後の営業期間や再契約の見通しは重要な判断材料です。
そのため、賃貸条件と希望価格のバランスが課題となりました。
最終的に居抜き売却は成立せず、約240万円の原状回復費が発生しました。
この事例から分かるのは、内装や設備の価値だけでなく、賃貸借契約の条件が売却結果に影響するということです。
不成約事例②|名古屋市中区栄2丁目・居酒屋
栄2丁目の居酒屋では、共同経営者間の対立があり、売却活動を進めるうえで問題となりました。
居抜き売却では、売主側の意思決定が重要です。
例えば、売却価格、引渡し時期、設備の取扱いなどについて、関係者の意見が一致していなければ、契約を進めることが難しくなります。
こちらの店舗では、最終的に居抜き売却が成立せず、約250万円の原状回復費が発生しました。
この事例から分かるのは、店舗の条件だけでなく、売主側の意思統一も重要だということです。
不成約事例③|名古屋市中区栄4丁目・焼肉店
栄4丁目の焼肉店では、当初1,200万円での売却を希望されていました。
しかし、希望価格と買主の評価に差があり、最終的には300万円まで価格を見直しました。
高額な厨房設備や内装がある場合でも、開業時の投資額がそのまま売却価格に反映されるわけではありません。
買主は、立地、家賃、設備状態、追加工事費などを総合的に判断します。
こちらの事例では、最終的に居抜き売却は成立しませんでした。
この事例から分かるのは、希望価格を大幅に下げれば必ず売れるというわけではないことです。
不成約事例④|名古屋市中区大須3丁目・カフェ
大須3丁目のカフェでは、次の買主が希望する飲食営業について、建物側の条件が合わないという問題がありました。
飲食店が営業していた店舗であっても、次の買主が希望する業態を認めてもらえるとは限りません。
例えば、建物の用途や貸主の方針、設備条件などによって、新しい飲食営業が認められない場合があります。
こちらの店舗では、居抜き売却が成立せず、約160万円の原状回復費が発生しました。
この事例から分かるのは、買主探しを始める前に、次の業態が認められるか確認することが重要だということです。
第12章|成功事例と失敗事例の違いは何だったのか?
ここまで、名古屋市内の居抜き売却について、成功事例と不成約事例を紹介しました。
では、その違いは何だったのでしょうか。
重要なのは、単純に店舗の立地や設備だけでは判断できないということです。
例えば、錦2丁目の焼き鳥店では、当初希望価格から50万円の価格調整を行い、350万円で売却が成立しました。
一方、栄4丁目の焼肉店では、当初1,200万円だった希望価格を300万円まで見直しても、売却は成立しませんでした。
つまり、価格を下げることだけが売却成功の条件ではありません。
また、大須4丁目のスイーツ店では、飲食店以外の企業が買主となり、550万円で売却が成立しました。
一方、大須3丁目のカフェでは、建物側の業態条件が合わず、売却が成立しませんでした。
このように、同じ大須エリアでも、店舗ごとの条件によって結果が変わります。
居抜き売却で重要な5つの条件
① 買主が必要としている店舗であること
② 造作譲渡価格が買主の評価と合っていること
③ 大家の承諾が得られること
④ 賃貸借契約の条件が買主の事業計画に合っていること
⑤ 退去期限までに契約手続きを進められること
これらの条件が整わなければ、希望価格を下げても売却できない場合があります。
反対に、条件が合えば、既存の内装を利用しない買主へ高額で売却できる可能性もあります。
居抜き売却で重要なのは、単に価格を下げることではなく、買主が購入できる条件を整えることです。
第13章|名古屋で飲食店を閉店する場合のスケジュール
飲食店を閉店する場合、できるだけ早い段階から準備を始めることが重要です。
ここでは、閉店まで約6か月の余裕がある場合を想定した、一般的な準備スケジュールをご紹介します。
実際のスケジュールは、賃貸借契約や営業状況によって異なります。
閉店検討開始時|賃貸借契約と経営状況を確認
まず、賃貸借契約書を確認します。
解約予告期間、原状回復義務、保証金の精算条件などを把握します。
同時に、居抜き売却の可能性を検討します。
この段階では、解約通知を出す前に相談することが重要です。
閉店予定の5〜4か月前|居抜き売却の条件を整理
店舗の立地、面積、家賃、設備状態などを確認します。
売却希望価格や引渡し条件を検討します。
また、貸主の承諾が必要な事項について確認します。
閉店予定の4〜3か月前|買主探しと条件交渉
居抜き売却の募集を進めます。
購入希望者が現れた場合には、造作譲渡価格や引渡し条件などを調整します。
また、買主が希望する業態で営業できるか確認します。
閉店予定の3〜2か月前|入居審査と契約条件の調整
買主の入居申込みや保証会社の審査などを進めます。
貸主との契約条件が整えば、造作譲渡契約や新しい賃貸借契約の締結を検討します。
ただし、審査や契約手続きに必要な期間は案件によって異なります。
閉店予定の1か月前|引渡し準備
譲渡対象設備の確認、取引先との精算、従業員への対応などを進めます。
また、行政上の届出などについても確認します。
閉店・引渡し時|最終確認
造作譲渡代金の精算、設備の引渡し、鍵の返還などを行います。
ただし、実際の引渡し方法は契約条件によって異なります。
居抜き売却が成立しなかった場合には、賃貸借契約に従った原状回復工事が必要になることがあります。
このスケジュールはあくまで一例であり、解約予告期間が6か月の場合でも、必ず6か月で売却できるわけではありません。
第14章|名古屋の飲食店閉店・居抜き売却に関するQ&A
Q1.飲食店を閉店するとき、最初に何を確認すべきですか?
賃貸借契約書を確認することが重要です。
解約予告期間、原状回復義務、保証金の精算条件などを把握しましょう。
Q2.閉店する前に居抜き売却の相談はできますか?
可能です。
むしろ、解約通知を出す前に相談することで、売却活動に必要な時間を確保しやすくなります。
Q3.赤字の飲食店でも居抜き売却できますか?
可能性はあります。
居抜き売却では、現在の売上だけでなく、立地、家賃、設備状態、買主の需要などが評価されます。
Q4.居抜き売却すれば原状回復費は必ず不要になりますか?
必ずしも不要になるわけではありません。
貸主との合意や賃貸借契約の内容によって異なります。
Q5.買主が見つかれば必ず売却できますか?
必ずしも売却できるわけではありません。
貸主の承諾、保証会社の審査、契約条件などが整う必要があります。
Q6.造作譲渡価格はどのように決まりますか?
立地、家賃、面積、設備状態、買主の需要などを総合的に判断します。
最終的な価格は売主と買主の合意によって決まります。
Q7.飲食店以外の業種にも売却できますか?
可能性はあります。
ただし、貸主の承諾や建物の使用条件などを確認する必要があります。
Q8.居抜き売却にはどのくらいの期間が必要ですか?
店舗の条件や買主の需要によって異なります。
短期間で売却できる場合もあれば、数か月以上かかる場合もあります。
Q9.売却できなかった場合はどうなりますか?
賃貸借契約に従って原状回復を行う必要がある場合があります。
そのため、売却できなかった場合の費用も事前に把握しておくことが重要です。
Q10.名古屋で飲食店を閉店するなら、いつ相談するのがよいですか?
閉店を検討し始めた段階がおすすめです。
特に、解約通知を出す前に居抜き売却の可能性を確認することが重要です。
第15章|まとめ|名古屋で飲食店を閉店する前に、居抜き売却という選択肢を
前編・後編を通じて、名古屋で飲食店を閉店する前に知っておきたい30のことを解説しました。
飲食店の閉店では、原状回復費、解約予告期間中の家賃、厨房設備の撤去費、従業員への対応、取引先との精算など、さまざまな問題が発生します。
しかし、閉店する店舗にも、次の経営者にとっての価値が残っている場合があります。
実際に、名古屋市中区錦2丁目の焼き鳥店では、350万円で居抜き売却が成立し、約260万円の原状回復費を削減できました。
名古屋市中区大須4丁目のスイーツ店では、550万円で売却が成立し、約150万円の原状回復費を削減できました。
一方、錦3丁目のバー、栄2丁目の居酒屋、栄4丁目の焼肉店、大須3丁目のカフェでは、居抜き売却が成立しなかった事例もあります。
つまり、居抜き売却は必ず成功する方法ではありません。
だからこそ、早い段階から売却の可能性を確認し、必要な準備を進めることが重要です。
特に、次の3つは覚えておいていただきたいポイントです。
第一に、解約通知を出す前に居抜き売却の可能性を確認すること。
第二に、造作譲渡価格だけでなく、原状回復費や残りの家賃などを含めて閉店費用を考えること。
第三に、買主が見つかっても、大家の承諾や賃貸借契約などの条件が整わなければ売却できない場合があること。
名古屋で飲食店を閉店する場合、最初からスケルトン返却を前提に考える必要はありません。
居抜き売却という選択肢を検討することで、閉店時の経済的な負担を減らせる可能性があります。
「名古屋で飲食店を閉店したい」
「店舗を少しでも高く売却したい」
「居抜き売却で造作譲渡代金を受け取りたい」
「高額な原状回復費を削減したい」
「赤字の飲食店でも売却できるか知りたい」
そのような方は、解約通知や原状回復工事を進める前に、ぜひ居抜キングへご相談ください。
居抜キングでは、名古屋市中区栄・錦・大須・伏見・丸の内をはじめ、名駅、金山、今池など、名古屋市内の店舗売却・飲食店売却・居抜き売却についてご相談を承っています。
店舗を閉めることは、必ずしも店舗の価値がなくなることを意味しません。
これまで大切に営業してきた店舗が、次の経営者にとって新しい事業の出発点になる可能性があります。
「解体するしかない」と諦める前に。
「売れない」と決めつける前に。
まずは、居抜き売却という選択肢を確認してみてください。
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