名古屋市中区錦3丁目。ビル5階、14.5坪のガールズバーが、わずか35日で200万円の居抜き売却に成功しました。
今回ご紹介するのは、名古屋の繁華街・錦3丁目で4年間営業していたガールズバーの成約事例です。
こちらの店舗は、売上不振によって閉店を決断したわけではありません。
一定のお客様が来店しており、赤字経営でもありませんでした。
しかし、店舗運営の中心となっていた店長が退職することになり、後任となる人材を確保できなかったことから、売主様は店舗売却を決断されました。
当初の希望売却価格は300万円。
最終的には、シーシャバーの出店を希望する企業へ200万円で売却が成立しました。
売却期間は35日。
さらに、約210万円の原状回復費を削減できました。
造作譲渡代金200万円+原状回復費削減210万円=410万円。
仮に売却せず、210万円の原状回復費を支払って退去した場合と比較すると、単純計算で410万円の経済的な差が生まれたことになります。
もちろん、この410万円は仲介費用や税金、保証金精算などを考慮する前の金額であり、そのまま利益になるわけではありません。
それでも、店舗を解体して返還する場合と比較すれば、大きな違いです。
今回の成約事例で注目したいのは、次の4点です。
赤字ではないガールズバーが、人材不足を理由に売却を決断したこと
ビル5階という条件でも、35日で買主が見つかったこと
300万円の募集価格から200万円へ調整し、売却が成立したこと
ガールズバーからシーシャバーという業態変更で成約したこと
また、近年の名古屋市内のバー業態では、貸主や管理会社による入居審査が厳しくなるケースも見受けられます。
営業時間や騒音、建物の使用ルールなどが問題になることがあるためです。
今回は、名古屋の店舗売却・飲食店売却・居抜き売却を取り扱う**「居抜キング」**が、実際の成約内容をもとに、ガールズバーの居抜き売却について詳しく解説します。
第1章|成約物件の概要|名古屋市中区錦3丁目・ガールズバー
まずは、今回の成約物件の概要をご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 名古屋市中区錦3丁目 |
| 売却前の業態 | ガールズバー |
| 建物 | 商業ビル5階 |
| 店舗面積 | 約14.5坪 |
| 営業期間 | 約4年間 |
| 経営状況 | 一定の集客があり、赤字ではない |
| 売却理由 | 店長退職・後任人材の確保が困難 |
| 当初募集価格 | 300万円 |
| 居抜き成約価格 | 200万円 |
| 売却期間 | 35日 |
| 原状回復費削減額 | 約210万円 |
| 買主 | シーシャバー出店希望企業 |
| 業態変更 | ガールズバー → シーシャバー |
今回の店舗は、名古屋市中区錦3丁目という繁華街にありました。
錦3丁目といえば、名古屋市内でもバー、スナック、ラウンジ、クラブなど、夜間営業を中心とした店舗が多く集まるエリアです。
その一方で、競合店舗も多く、出店を希望する事業者にとっては、家賃や保証金、店舗の階数、営業時間などが重要な判断材料になります。
今回の物件はビル5階。
1階路面店とは異なり、通行人が偶然立ち寄るような店舗ではありません。
しかし、バー業態では、予約客や常連客を中心に営業する店舗もあります。
そのため、5階という条件だけで、居抜き売却が難しいと判断することはできません。
重要なのは、次の買主がその立地と店舗条件をどう評価するかです。
第2章|赤字ではないのに売却を決断した理由は「店長の退職」
今回の売主様が店舗売却を決断した理由は、売上不振ではありませんでした。
店舗には一定のお客様が来店しており、赤字経営でもありませんでした。
それでも売却を決めたのは、店舗運営の中心となっていた店長が退職することになったためです。
飲食店やバーの経営では、売上や利益だけでなく、店舗を任せられる人材の存在が非常に重要になります。
特に、ガールズバーのような接客を伴う業態では、スタッフの採用、勤務シフトの管理、売上管理、接客品質の維持など、日々の店舗運営に多くの業務が発生します。
経営者自身が常に店舗に立てるのであれば、対応できる場合もあるでしょう。
しかし、店長に店舗運営を任せている場合、その店長が退職することは大きな経営上の問題になります。
今回も、後任となる人材を探したものの、確保が難しい状況でした。
その結果、売主様は店舗を継続するよりも、居抜き売却によって事業を整理することを選択されました。
売上がある店舗でも閉店する理由はさまざま
飲食店の閉店というと、売上不振や赤字を想像する方が多いかもしれません。
しかし、実際には次のような理由で売却を検討することがあります。
店長の退職。
従業員不足。
経営者の体調。
複数店舗の整理。
別事業への集中。
家賃負担の増加。
共同経営の解消。
店舗運営を任せられる人材の不足。
つまり、売上があることと、今後も店舗を継続できることは別の問題なのです。
今回の事例は、そのことをよく示しています。
第3章|ガールズバーの居抜き売却はなぜ高額になりにくいのか?
今回の店舗は、当初300万円で募集していました。
しかし、最終的な成約価格は200万円でした。
その背景を考えるうえで重要なのが、ガールズバーという業態の特徴です。
一般的に、ガールズバーは居酒屋、焼肉店、ラーメン店などと比較して、厨房設備が比較的少ない店舗もあります。
例えば、焼肉店では、ロースター、排煙設備、ダクト、給排水設備などに多額の費用がかかる場合があります。
ラーメン店でも、厨房設備、ガス設備、給排水、排気設備などが重要になります。
一方、ガールズバーでは、カウンター、客席、照明、音響、冷蔵設備などが中心になる店舗もあります。
もちろん、内装に多額の費用をかけたガールズバーもあります。
しかし、次の買主が既存設備を利用する際、厨房設備の再利用によって大きな初期投資を削減できる飲食店とは、評価の仕方が異なる場合があります。
ガールズバーの造作譲渡価格を左右するもの
ガールズバーの居抜き売却では、次のような条件が重要になります。
① カウンターや客席の状態
既存のレイアウトを利用できるか。
② 内装デザイン
次の買主が大幅な改装を行わずに営業できるか。
③ 空調設備
既存設備の能力や状態が適切か。
④ トイレや給排水設備
買主の営業計画に対応できるか。
⑤ 店舗の立地
次の買主が出店したい場所か。
⑥ 月額賃料
営業開始後の固定費が事業計画に合うか。
⑦ 営業時間や業態の制限
貸主が希望する営業を認めるか。
特にバー業態では、内装設備の価値だけでなく、営業条件が重要です。
高額な内装工事を行った店舗でも、買主の希望する営業ができなければ、購入を見送られる可能性があります。
ガールズバーの居抜き売却では、内装工事にかけた金額がそのまま売却価格になるわけではありません。
第4章|当初300万円で募集したが、最終的には200万円で成約
今回の売主様は、当初300万円での売却を希望されていました。
しかし、最終的には200万円で売却が成立しました。
希望価格から100万円の調整です。
割合にすると、当初募集価格の約33.3%に相当する値下げになります。
「100万円も下げるのはもったいない」
そう感じる方もいるかもしれません。
しかし、居抜き売却では、募集価格を維持することだけが正解ではありません。
重要なのは、退去期限や原状回復費なども含めて判断することです。
例えば、300万円で募集を続けても、買主が見つからなければ売却代金を受け取れません。
さらに、契約に基づいて原状回復工事を行う必要がある場合には、別途費用が発生します。
今回の店舗では、原状回復費として約210万円が見込まれていました。
つまり、売却できなかった場合には、造作譲渡代金を受け取れないだけでなく、約210万円の支出が発生する可能性があったのです。
300万円にこだわるべきだったのか?
もちろん、300万円で購入する買主が見つかるのであれば、それが売主様にとって望ましい結果だったでしょう。
しかし、売却活動には時間的な制約があります。
また、買主が購入を希望しても、貸主の承諾や保証会社の審査などが必要になる場合があります。
そのため、希望価格だけではなく、実際に契約を成立させられるかどうかを考える必要があります。
今回の店舗では、200万円という条件でシーシャバーの出店希望企業との売却が成立しました。
結果として、35日で売却を完了することができました。
希望価格を守ることと、経済的な損失を抑えることは、必ずしも同じではありません。
第5章|売却期間は35日!ビル5階でも居抜き売却が成立した理由
今回の売却期間は35日でした。
店舗はビル5階。
面積は14.5坪。
業態はガールズバーでした。
一般的に、1階路面店と比較すると、ビル上階の店舗は通行人からの視認性が低くなる傾向があります。
そのため、業態によっては出店希望者が限られる場合があります。
しかし、バーやラウンジなどの業態では、必ずしも1階路面店である必要はありません。
常連客や予約客を中心に営業する店舗もあるためです。
今回の買主は、シーシャバーの出店を希望する企業でした。
ガールズバーからシーシャバーへの業態変更であれば、既存のカウンターや客席などを活用できる可能性があります。
ただし、今回の買主がどの設備を実際に再利用するかについては、個別の改装計画によります。
また、シーシャバーでは換気設備や消防上の安全性なども重要になるため、単純にガールズバーの設備をそのまま利用できるとは限りません。
今回の成約から言えるのは、ビル5階の店舗であっても、出店条件に合う買主が見つかれば短期間で居抜き売却が成立する場合があるということです。
第6章|ガールズバーからシーシャバーへ!異業種への居抜き売却
今回の成約事例で特徴的だったのが、買主の業態です。
売却前はガールズバー。
売却後はシーシャバーの出店を予定していました。
どちらもバーという共通点はありますが、営業内容は異なります。
ガールズバーでは、スタッフによる接客やドリンク提供などが店舗運営の中心になることがあります。
一方、シーシャバーでは、水たばこの提供や滞在空間の演出などが重要になります。
そのため、同じバーという名称が付いていても、必要な設備や営業上の条件は異なります。
シーシャバーへの転用で確認したいこと
まず、換気設備です。
シーシャの提供方法によっては、煙や一酸化炭素への対策が必要になります。
特に炭を使用する場合には、適切な換気や火災予防が重要です。
次に、建物の使用条件です。
貸主や管理会社がシーシャバーの営業を認めるかどうかを確認する必要があります。
また、消防上の条件、飲食店営業に関する許可、たばこの提供・販売形態に応じた法令上の手続きなども確認が必要です。
さらに、営業時間や騒音、共用部分の使用方法などについても、建物のルールに従う必要があります。
ガールズバーからシーシャバーへの居抜き売却では、内装の転用可能性だけでなく、新しい業態が適法に営業できるかが重要です。
第7章|近年、バー業態の入居審査が厳しくなっている?
名古屋市内でバーやガールズバーの居抜き売却を取り扱う際、重要になるのが管理会社や貸主の入居審査です。
実務上、バー業態について慎重に審査する管理会社や貸主も見受けられます。
その背景として考えられるのが、営業時間や騒音、建物の管理ルールなどの問題です。
例えば、賃貸借契約で午前1時までの営業と定められているにもかかわらず、無断で午前5時まで営業してしまう店舗があれば、貸主や管理会社とのトラブルにつながる可能性があります。
また、深夜の来店客による騒音、共用部分での迷惑行為、ゴミの処理なども問題になる場合があります。
こうした事例があると、管理会社が新しいバー業態の入居を慎重に判断することも考えられます。
ただし、名古屋市内のすべての管理会社が一律に審査を厳格化しているという意味ではありません。
物件ごとの管理方針や過去のトラブル、買主の事業計画によって判断は異なります。
午前5時までの営業はすべて違法なのか?
ここは誤解しないようにしたいポイントです。
午前5時まで営業すること自体が、すべてのバーで一律に違法となるわけではありません。
実際には、営業の内容、必要な許可・届出、地域の規制、賃貸借契約などによって判断が異なります。
例えば、深夜に酒類を提供する飲食店営業と、客への「接待」を伴う風俗営業では、法令上の取扱いが異なります。
また、行政上は営業できる場合でも、賃貸借契約で営業時間が制限されていれば、その契約条件を守る必要があります。
つまり、問題になるのは単純な営業時間だけではありません。
法令上の営業条件と、貸主との賃貸借契約の両方を守ることが重要なのです。
第8章|ガールズバーの居抜き売却で管理会社が確認するポイント
ガールズバーやシーシャバーなどの入居審査では、次のような事項が確認される場合があります。
① 営業時間
深夜何時まで営業する予定なのか。
建物のルールに違反しないか。
② 営業内容
一般的なバー営業なのか、接待を伴う営業なのか。
どのようなサービスを提供するのか。
③ 騒音対策
音楽や会話、来店客の出入りによって、周囲に影響が出ないか。